YADOKARI、働く人向けの新ホテルブランド「YadYad」始動 トレーラー型宿を産業集積地に展開へ

トレーラーハウスなど「可動産(動かせる不動産)」の企画・製造・運営を手がけるYADOKARI株式会社は、働く人に向けた新しいホテルブランド「YadYad(ヤドヤド)」を立ち上げた。同社はこれまで、タイニーハウスやトレーラーハウスの製造・販売を軸に、トレーラーハウスを活用した宿泊施設「YADOKARI VILLAGE 北軽井沢」(2024年12月開業)など、余暇や滞在そのものを楽しむ宿を展開してきた。YadYadは、その宿づくりの知見を、出張や現場勤務で地方を訪れる「働く人」の滞在に振り向けた新ブランドと位置づけられる。第1号施設「YadYad 足利」を栃木県足利市福富町に2027年2月に開業する予定で、段階的に規模を広げていく。

観光・レジャー向けの既存施設と異なり、YadYadが客層の軸に据えるのは、平日に地方で働く人だ。「満たして、ススメ。」をコンセプトに掲げるトレーラー型のリカバリーホテルで、仕事を終えた後に自分の時間を取り戻せる滞在を目指す。足利駅から車で約10分の工業団地に隣接する立地で、平日は出張者や現場で働く人、週末は観光客の利用を想定する。客室は2種類を用意する。スタンダード客室は、1台のトレーラーハウスに鍵付きの個室を4つ配置した「ODYSSEY 4 in 1」を採用した1名用(男性限定)の部屋。プレミアム客室は建築家の谷尻誠氏(DAICHI LAB)が監修し、1棟2室・最大2名で男女とも利用でき、室内にシャワーや洗面、トイレを備える。このほか共用の水回り棟やラウンジ、ランドリー、セルフチェックイン設備、駐車場を設け、客室棟と水回り棟を蛇腹状の通路でつなぐ。第1期は18室、全体計画では48室を予定している。

事業面では、YADOKARIが持つトレーラーハウスの製造・設計技術と、宿泊施設の企画・運営ノウハウを組み合わせる点が特徴となる。工場で製造したトレーラーハウスを現地に設置する方式をとり、開発期間と初期投資の最適化を図る。客室の企画・製造から宿泊体験の設計、施設運営までを一社で一体的に担い、宿泊者の声を次の商品や施設づくりに反映させる考えだ。客室モジュール「ODYSSEY 4 in 1」と水回りモジュール「HYDRO」については、後日あらためて詳細を発表するとしている。

足利を全国展開の第一歩と位置づけ、今後は各地の産業集積地に、土地や需要に応じた宿泊拠点を広げる構想を描く。栃木県の調査では、足利市の2025年の観光客宿泊数は約5万3000人泊で、2019年と比べて約64%増えたという。現場勤務や出張で地方を訪れる人の滞在需要に応える取り組みとして、観光とビジネスの双方を見据えた宿のあり方を示すものといえる。