呉竹、書道を世界へ伝える多言語プラットフォーム「THE WAY of SHODO」を公開
書道用品メーカーの株式会社呉竹は11月5日、書の歴史や精神性、道具、技法、作品鑑賞を体系的に紹介するグローバル向けの総合情報サイト「THE WAY of SHODO」を公開した。海外では書道について体系的で信頼できる情報を得にくいという課題を背景に、初めて書に触れる人から愛好家までを対象に、世界中の人が書道を学び、日本文化への理解を深める機会を提供する。
サイトは日本語・英語・フランス語の3言語に対応し、国籍や文化的背景を問わず学べる内容を目指す。コンテンツは4つのカテゴリーで構成する。書の歴史や書体の変遷をたどる「Theory & History」、筆・墨・硯・紙といった文房四宝を扱う「Tools & Materials」、基本技法から表現の広がりまでを紹介する「Practice & Techniques」、墨色や余白の美を作品鑑賞を通して味わう「Gallery」である。呉竹は、書を日本の美意識や文化に触れる入口と位置づけている。
呉竹は1902年に奈良で墨づくりから創業し、現在は墨や書道液、書道用品のほか、筆ペンやカリグラフィーマーカー、ホビークラフト用品などを製造・販売している。今回のサイト公開にあたっては、グローバル書道事業を統轄する体制のもとで運営を担う。グローバル書道事業統轄役員で常務取締役の吉野誠氏は、書道は呉竹にとって事業領域であるだけでなく「原点」だとし、書道文化の継承と発展に取り組む姿勢を示した。
書道をめぐっては、世界的に日本文化への関心が高まるなかで、その象徴的な存在として海外からの注目が集まっている。実際に筆を執って書道を体験したい、日本文化への理解を深めたいというニーズも着実に広がっているという。一方で呉竹は、海外では書道について体系的で信頼できる情報にアクセスできる環境が十分に整っているとは言えず、学びの出発点となる確かな情報源が求められてきたと指摘する。
歴史や書体の変遷から、筆・墨・硯・紙といった文房四宝、基本から応用までの技法、作品鑑賞に至るまでを、一貫した枠組みで多言語で示す点に今回の取り組みの意味がある。個々の知識を断片的に並べるのではなく、書の成り立ちから味わい方までをたどれる道筋として情報を整理することで、どこから学べばよいか分かりにくかった海外の人々に、信頼して頼れる入口を用意する。書道用品を長年手がけ、その文化とともに歩んできたメーカーが自ら発信する点も、内容の確かさを支える。日本の美意識や文化への理解を、国境を越えて広げる基盤となることが期待される。