防災庁 防災技術に5年で2.6兆円の官民投資、国際戦略も27年半ばに策定へ

防災庁は、2026年11月2日の発足にあたり、「攻めの防災庁」として防災技術への戦略的な危機管理投資を進める方針を公表した。政府の日本成長戦略では、防災技術の開発・製品化・実装などに5年間で2.6兆円の官民投資を想定しており、防災庁が司令塔となって関係省庁の制度や事業を生かしながら投資を促す。

防災技術の海外展開と国際協力を戦略的に進めるため、関係省庁会議を設置し、2027年半ばをめどに「国際防災協力戦略」を策定する。国民の生命・身体・財産を守る役割に加え、災害への備えとして進める防災技術の開発・実装を、防災産業の振興や海外展開につなげることも目指す。平時や他分野でも使えるデュアルユースも視野に入れる。

危機管理投資の取り組みは、日本成長戦略に基づく防災技術への投資促進、防災技術の戦略的な開発・実装、国際防災協力の戦略的な展開の3本柱で構成する。戦略的に開発・実装を進めるべき技術の具体例として、災害用トイレ、防災食、SAR(合成開口レーダー)衛星の活用技術、自動・遠隔施工、林野火災の消火技術の5分野を挙げた。

内閣府(防災担当)の推計によると、これら5分野の年間の海外市場規模は合計で約4兆円に上る。内訳は、自動・遠隔施工が約1兆5200億円、林野火災の消火技術が約1兆4300億円、防災食が約7500億円、災害用トイレが約2000億円、SAR衛星活用技術が約1900億円。今後の市場成長を見込まない場合でも、5年間で約20兆4000億円の規模になるという。

防災食については日本が国際標準化機構(ISO)に提案した「災害食の品質要求事項」が今後発行される見込みで、SAR衛星は機数の急増により状況把握のツールとして大きな成長が見込まれる。林野火災は気候変動に伴い世界的に増加傾向にあり、自動・遠隔施工は人手不足対策と過酷な環境での応急対策の両面で重要性が高いとしている。防災庁は、国内の優れた防災技術を危機管理投資として強化し、経済成長をけん引する防災産業の発展と世界への貢献につなげるとしている。

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