インターステラテクほか 家畜糞尿由来原料で人工衛星打ち上げへ
エア・ウォーター北海道(札幌市)とインターステラテクノロジズ(北海道広尾郡大樹町)は、小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の燃料として、家畜ふん尿から製造した液化バイオメタン(LBM)を使用することを決めた。2023年7月21日に発表した。北海道十勝地方の未利用バイオマス資源を衛星の打ち上げで活用する。
LBMの利用は、2023年秋頃から、大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」内にあるエンジン燃焼試験棟で実証を開始する予定だ。現在開発が進んでいるZERO初号機においてロケット燃料として使用することを目指す。エア・ウォーター北海道は、2021年5月よりインターステラテクノロジズの宇宙開発パートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」に加入。これまでも、各種試験で使用するLNGの供給やタンクの製造などの支援を行ってきた。また2022年10 月には、帯広市にLBM の製造工場を国内で初めて稼働させている。このLBMを大樹町に輸送し、LNG供給設備をLBM供給にも活用していく。
高純度液化メタンは価格や燃料としての性能、扱いやすさ、入手性、環境性などが優れていることから、米SpaceX社など、世界的に採用するロケット会社が増えている。