G7環境大臣会合 2035年60%削減などの内容を含む共同声明を発表

2023年4月15日~16日、G7気候・エネルギー・環境大臣会合が札幌市で開催された。G7サミット(首脳会合)に関連して開催される閣僚会合の1つで、化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させるグリーントランスフォーメーション(GX)のグローバルな推進について議論した。同時に、炭素中立(カーボンニュートラル)、循環経済、破壊された自然の再興なども検討課題となった。そして、最近の国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格高騰など、足下のエネルギー危機への対応についても議論の俎上に上がった。

今回のエネルギー・環境大臣会合の結果として発表された共同声明には、GXのための研究・開発イノベーション、持続可能なバリューチェーンの構築、希少金属を含む重要資源の安定的な供給と人権・環境保護の両立、森林・土壌の保護、水、海洋、食料等々、様々な課題に関する意見がまとめられている。

またGXの際、化石燃料ベースの経済のための職業に従事している労働者や、それらが立地する地域社会に対する支援が必要であること、以降のための包摂的な社会的対話の必要性も指摘した。すなわち、脱炭素経済に適合するスキルの開発と移転、社会的保護を通じて、地方、地域、国レベルでの教育、再教育、訓練を実施すべきとした。さらに、民間企業や金融機関が、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織である自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が9月に発表する予定の最終報告書への期待も表明している。

温室効果ガスの排出削減については、2035年に2019年比で60%の温室効果ガス削減を達成するという、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に準じた目標を共同声明に記載した。

G7_sapporo2023