Space quarters 仏国立宇宙研究センターから宇宙建築技術の研究を受託
Space quarters(東京都渋谷区)は2023年3月10日、欧州宇宙機関(ESA)で中心的役割を果たすフランス国立宇宙研究センター(CNES)より、宇宙建築技術の研究を正式に受託したと発表した。同社が開発に取り組む宇宙空間におけるElectron beam溶接技術を用いた建築技術が宇宙開発全体の発展にもたらす可能性と、その開発力による実現性が評価されたもの。同社は2022年6月に設立した宇宙スタートアップで、創業約半年での受託となる。
今回の研究は、Space quartersの建築技術の市場性や、既存の古い宇宙建築技術との比較検討、それら技術の適用方法や適用分野の検討に関しての研究結果を2023年に報告し、その後の連携強化を検討するもの。背景として、現在Space Xを中心に宇宙輸送の価格破壊が起こり、民間宇宙ステーションの運用が始まるなか、多くの企業が大型建造物の建築プロジェクトを計画していることがある。既存技術では宇宙に輸送可能なサイズ制限やスペースデブリの危険などから建築自体が困難、または費用が膨大となる計画がほとんどだが、Space quartersが開発する技術はそれらの課題を解決できると期待されている。
同社は今回の研究受託をきっかけにフランス支社を設立し、日本およびフランス、欧州における事業展開および技術連携を通じて、コーポレートビジョンである「人類が宇宙を生活圏とし可能性を広げ続ける世界」を実現していきたいとしている。