スパークス・グループ 苫小牧市で再エネ水素サプライチェーン実証
スパークス・グループは2023年7月10日、子会社のスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(SGET)を通じて北海道苫小牧市で水素の製造・貯蔵・輸送・利用までのサプライチェーンを構築する実証事業を開始すると発表した。既存のインフラを活用し、電力系統に依存しない大規模再エネ水素サプライチェーンの構築を目指す。
苫小牧市が保有する沼ノ端クリーンセンター内の廃棄物発電と、その敷地内の太陽光発電の電力を組み合わせ、安定的に年間最大100万Nm3の再エネ水素を製造・供給するシステムを構築する。電力は自営線により水電解装置へ直接供給し、電力系統の制約により再エネ発電所の追加設置が困難となるような状況を解決する。廃棄物発電所の夜間余剰電力の有効活用による製造コスト低減にも取り組む。
製造した水素は高圧水素トレーラーで市有施設や近隣企業に運搬し、燃料電池(発電と廃熱利用)、ボイラー・ストーブ(暖房、給湯用途)に利用、寒冷地において広く普及している灯油の使用量削減を目指す。
今回の実証事業は環境省の「令和5年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」に採択されている。SGET、苫小牧市、北海道曹達、トヨタ自動車北海道、明治電機工業、三井住友信託銀行が連携して行う。
実証実験の実施体制