キヤノン、NTT東 ボリュメトリック技術にIWON活用する協業開始
キヤノンとNTT東日本は、次世代光通信基盤「IOWN」を活用したボリュメトリックビデオシステムの新たな活用シーンの創出に向けて協業を開始した。2026年1月28日に発表した。技術検証に着手し、フレキシブルなシステム構築によるエンターテインメント体験の革新を目指す。協業においては、キヤノンがボリュメトリックビデオシステムを、NTT東日本がIOWNの利用環境を提供する。
ボリュメトリックビデオシステムは、空間全体を3Dデータ化する技術。約100台のカメラで同時撮影することで、視聴者は自由な角度や視点から映像を楽しむことができる。キヤノンはこれまでスポーツ中継や音楽ライブ配信など幅広い用途で同技術を提供してきた。
同システムは映像生成や配信の過程で大量のデータを扱うため、従来は撮影拠点にすべての処理機能を集約する必要があった。自由視点映像のカメラワークを滑らかにするには、低遅延かつゆらぎのない通信環境が不可欠であり、これが導入の制約となっている。
そこで、今回の協業で、NTT東日本の「All-Photonics Connect powered by IOWN」を活用することになった。これは、NTT東日本が2024年12月に提供を開始したサービスで、通信ネットワークの全区間で光波長を専有し、最大800Gbpsの高速・大容量・低遅延通信を実現する。この次世代光通信基盤を活用し、撮影拠点、映像生成拠点、視聴拠点をそれぞれ接続。従来の回線では伝送が困難だった大容量のカメラデータを遠隔地へ送信し、視聴拠点からの自由視点操作においても映像と視点情報を遅延やゆらぎなく処理できるかを検証していく。
技術検証が成功すれば、これまで撮影拠点に集約していた装置を分散配置できるようになる。例えば、スタジアムなどの撮影現場に映像生成サーバを持ち込む必要がなくなり、機材配置の最適化によるコスト削減が期待される。さらに、視聴者は遠隔地にいながらボリュメトリック映像をリアルタイムで視聴・操作できるようになる。好きな角度や視点から映像を楽しむという、これまでにないエンターテインメント体験の提供が可能となる見込みだ。
両社は2026年1月28日、NTTe-City Labo(神奈川県川崎市)で開催したNTT東日本「地域ミライ共創フォーラム」において、遠隔地からの映像視聴や自由視点操作を体験できる展示をした。NTTe-City Laboは、地域課題解決に向けたNTT東日本グループのソリューションを体感できる施設で、IOWNのユースケース創出に向けて、さまざまなパートナーとの共同実証を進めている。