核融合スタートアップのHelical Fusion、シードラウンドで8億円調達
ヘリカル型核融合炉の開発を目指すHelical Fusion(ヘリカルフュージョン、東京都中央区)は2023年4月5日、SBIインベストメントをリード投資家に、シードラウンドで約8億円の資金調達を実施したと発表した。調達した資金をもとに核融合炉の社会実装に必要な技術開発および事業開発を加速する。
ヘリカル核融合方式は、二重らせん構造の超伝導ヘリカルコイルを用いて高温のプラズマを安定に閉じ込めて核融合を行う方式で、日本の核融合科学研究所から生まれた技術。Helical Fusionはヘリカル方式にさらなる独自の最先端技術を取り入れた世界初の定常核融合炉の開発を目指し、2021年10月に設立された。共同創業者の宮澤順一氏は核融合科学研究所でヘリカル研究部教授を務め、現在は総合研究大学院大学教授としてヘリカル核融合炉における炉心プラズマ設計、先進ダイバータシステム、先進ブランケットシステム、先進超伝導マグネットシステムに関する研究を行っている。
核融合発電は、温室効果ガスや高レベル放射性廃棄物を発生しない究極のクリーンエネルギーと呼ばれ、現在、世界中で様々な核融合方式が研究・開発されている。Helical Fusionは事業・資本面でのパートナーとの提携を拡大しつつ、核融合技術の確立と商業化を目指していく。
Helical Fusionの事業ビジョン