地域の博物館と科博 官民連携でポケモンと古生物学の巡回展を開催

国立科学博物館は、任天堂の関連会社ポケモン(東京都港区)の協力のもと、三笠市立博物館(北海道三笠市)をはじめとする複数の博物館と、「古生物とポケモン」をテーマに、観察や比較を通じて、生物学を楽しく学ぶことができる展示を制作した。2021年4月20日に発表した。

2021年夏の三笠市立博物館での開催を皮切りとして、日本各地を巡回する。2021年秋に島根県立三瓶自然館サヒメル、2022年春に東京の国立科学博物館、2022年夏には豊橋市自然史博物館で開催していく予定だ。

今回の展示は、原案者の三笠市立博物館の相場大佑氏を中心に、複数の博物館とポケモンが力を合わせて制作した。人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズに登場する「カセキ」「カセキポケモン」と、「化石」「古生物」をテーマにしている。「観察・比較」という科学の基本的な手法を体験しながら、これらの形や生態、それぞれの世界の化石研究の共通点・違いを発見し、楽しみながら古生物学を学べるプログラムになっている。

国立科学博物館では、地域の活性化を目的に、複数地域の博物館と協働した巡回展の制作に着手しており、今回の展示はその第1弾となる。1つの博物館だけでは制作が困難な規模・内容の展示を共同で制作し、巡回することで日本各地で質の高い企画展示を楽しんでもらうことを目的としている。企画の中心となった国立科学博物館の「科学系博物館イノベーションセンター」では、博物館の持つ様々な資源を活用し、経営基盤の強化と、各地の科学系博物館の活性化を目指して事業を実施している。

pokemon2104.png