千葉大学、2040年の自治体の状況を予測する「未来カルテ」を公開

 

千葉大学大学院の倉阪秀史教授らは、2040年の自治体の産業、保育、教育、医療、介護がどのような状況になるかについて、シミュレーションした結果を表示する「未来カルテ」を公開した。社会保障・人口問題研究所の人口予測をベースとして、現在の傾向が継続した場合の、2040年の状況を予測する。科学技術振興機構の研究プロジェクト「多世代参加型ストックマネジメント手法の普及を通じた地方自治体での持続可能性の確保」(OPoSSuM)によるもの。

 

「未来カルテ」では、ダウンロードしたEXCELファイルで自治体を指定すると、2015年から2040年までの5年ごとのシミュレーションが表示できるようになっている。例えば千葉市の場合、2015年に97万1882人だった人口は2040年には88万6472人になる。65歳以上の人口比は、2015年には24.5%だったものが、2040年には37.5%となる。

 

同研究プロジェクトは、「未来カルテ」が、自治体の政策・総合計画の検討や、自治体職員・地域住民の勉強会などの研修プログラムで活用されるようにしたいと考えている。2040年のシミュレーション結果が厳しいものだったとしても、これからの行動で未来は変えられるためだ。2015年からは、地域の中・高生が、未来カルテ情報を元に、現在の市長に政策提言を行うという「未来ワークショップ」を開催してきた。ワークショップに参加した生徒は、地域の課題に対する関心が高まり、地域に貢献したいと考えるようになるという。

研究プロジェクトは2018年3月で終了するが、成果の社会実装のため「NPO法人地域持続研究所」を2017年2月に設立済み。同NPOを通じて、「未来カルテ」の普及と「未来ワークショップ」の開催支援などを行う計画だ。

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