経団連がAI搭載ロボット戦略を提言、産業用ロボットの強み軸に
日本経済団体連合会は2026年3月17日、「わが国ロボット(AI+)戦略のあり方に関する提言」を公表した。構造的な人手不足やインフラの老朽化といった社会課題が深刻化するなか、AIを搭載したロボットを課題解決と産業競争力強化の中核技術と位置づけ、フェーズ別の戦略を着実に展開するよう政府に求めている。
AI分野では米中が先行する一方、日本は世界シェア6割超を占める産業用ロボットの実装・改善で培った強みを有する。提言では、センサーや精密制御部品、アクチュエーターといった基盤技術に加え、現場での運用を通じて蓄積される産業データや運用・改善ノウハウなどの「現場知」を競争力の源泉として重視。グローバル競争の軸が「実社会での信頼性や実装力」へ移行するなか、この強みを最大限に活かす総合戦略の早急な策定を訴えた。
政府への具体的な要望としては、ネガティブリスト方式を基本とするルール整備と国際標準化の主導、ロボット開発人材や現場人材の育成に向けた戦略的対応を柱に据えた。戦略の時間軸については、短期的には産業用ロボットを核とした社会実装の加速とデータ蓄積、中期的には産業データスペースの本格運用と生活・サービスロボットへの展開、長期的には現場力と安全・品質を武器とした国際的地位の確立という3段階を描く。
今夏に策定が予定される「日本成長戦略」では、AI・半導体を含む17の戦略分野で大胆な投資促進や国際展開支援、人材育成、産学連携、国際標準化等の総合的支援が検討されている。経団連としても、投資牽引型経済への転換に向けて、産官学の結節点として先導的役割を果たしていく考えだ。