税制改正大綱 起業を支援、スタートアップの買収で控除も

自民党と民主党は、2022年12月16日、2023年度の与党税制改正大綱を取りまとめ、発表した。

税制面からスタートアップを支援する方策として、創業者が保有株式の譲渡益を元手に起業したり、エンジェル投資家が創業間もないプレシード・シード期のスタートアップに再投資した場合、株式譲渡益に課税しない制度を創設するとした。その上限額は20億円で、米国の同様な非課税措置の上限(約13.5億円)を上回る金額とする。

また、オープンイノベーション促進税制を、出資だけでなく事業会社による企業買収にも適用できるようにする。現在の制度は、国内の事業会社またはその国内CVCが、スタートアップ企業の新規発行株式を一定額以上取得する場合、その株式の取得価額の25%が所得控除されるというもの。これをM&Aにも適用できるよう、既存株式の取得も対象とすることにした。

さらに、成長と分配の好循環を実現するべく、個人投資家の優遇制度少額投資非課税制度(NISA)の抜本的な拡充・恒久化を実現する。長期・積み立て・分散投資による長期的な資産形成を行えるよう、非課税保有期間を無期限化する。また、新たに「成長投資枠」を創設し、年間投資水準を現行の計120万円から3倍となる360万円に拡大。生涯にわたる非課税限度額も、現行の800万円から1800万円に上げ、「貯蓄から投資へ」の流れを推進する。

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