完全自動運転開発のTuring 153億円を資金調達

完全自動運転システムの開発に取り組むスタートアップのTuring(東京都品川区)は2025年11月17日、政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツおよび独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインを共同リード投資家として、GMOインターネットグループ、デンソーなど複数の事業会社、ベンチャーキャピタル、銀行系CVCなどから97.7億円の資金調達を実施したと発表した。同社はあわせて、みずほ銀行をアレンジャーとして、複数の銀行・金融系事業会社から55億円のシンジケートローンによる融資を受け、シリーズAの1st Closeとして合計152.7億円の資金調達を行った。

今回調達した資金は、計算基盤の拡充や、社会実装に向けた事業体制の強化、これらの取り組みを加速させるMLエンジニアを中心とした人材採用に使用する。同社CEOの山本一成氏は、「今回のシリーズA 1st Closeは、完全自動運転への挑戦を次のフェーズへ進めるためのものです。これまで積み上げてきた技術開発を基盤に、ここからは計算リソース、データ拡充、組織体制の強化をさらに進め、技術と事業の両輪を本格的に回していきます。当社には強力なエンジニアが集まっていますし、これからも集まり続けます。CEOとして集めた最高の才能に責任を持ち、国産の完全自動運転を一日でも早く社会に届けるため、引き続き全力を尽くしていきます」とコメントしている。

Turingは、2021年設立のスタートアップ。環境認識から経路計画、運転制御までを単一のAIで行うE2E(End-to-End)自動運転AIと、人間社会の常識や背景、文脈の理解を獲得した大規模基盤モデルを同時に開発し、これらを統合することで、あらゆる条件下において車が人間の代わりに運転操作を行う「完全自動運転」の実現を目指している。