キヤノン、日本IBM 3D映像の芸術・芸能分野での活用へ協業開始

キヤノンと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、芸術・芸能分野で「ボリュメトリックビデオ技術」を活用した価値創出に向け、2021年7月2日から協業すると発表した。ボリュメトリックビデオ技術は、空間全体を3Dデータ化する技術。バーチャル空間内のあらゆるアングルから映像を生成できる。

今回の協業を通じて、芸術・芸能関連事業者や視聴者に向け、新しい価値の創出・拡大を目指す。キヤノンは、ボリュメトリックビデオ技術により、新たな映像制作手法や視聴体験を提供し、また映像による貴重な芸術文化の伝承にも貢献する。

日本IBMは、芸術・芸能関連事業者に向けた戦略策定や実行支援などコンサルティング・サービスを提供、同分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。さらに、大量データの処理に必要なインフラも提供する。並列計算専用サーバーと広帯域ストレージを組み合わせた、高品質・高速、安全な映像データ処理・配信などの技術サポートも提供することで、同技術を活用したサービス価値を向上していく。

協業の第1弾は、公益社団法人 宝生会監修の能楽「葵上」のボリュメトリック映像で、同日公開した。キヤノンは、実際の能楽堂をスキャン計測した3DCGや背景CGアニメーションを制作。能楽師のパフォーマンスを自社の「ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎」でキャプチャし、全体を統合する映像生成までを実施。日本IBMは、並列計算専用サーバー「IBM Power System AC922」と、広帯域ストレージ「IBM Elastic Storage System」を組み合わせた高速インフラの構築と技術支援を担当した。

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