中小企業の倒産止まらず 2025年度1万件超え 夏以降さらなる急増も
帝国データバンクが発表した2025年度の全国企業倒産集計によると、倒産件数は1万425件に達した。前年度の1万70件から3.5%増加し、4年連続で前年度を上回るとともに、2年連続で1万件を超える高水準となった。一方で負債総額は1兆5537億8100万円にとどまり、前年度比で31.0%減少した。これは負債5000万円未満の小規模倒産が2000年度以降で最多を更新したことが影響しており、中小零細企業の経営難が浮き彫りとなっている。
株式会社帝国データバンクプレスリリースより
業種別では、サービス業が2677件、小売業が2233件となり、いずれも2000年度以降で最多を記録した。サービス業では医療スタッフの確保難や代表者の高齢化による医療機関の倒産が目立ち、小売業では物価高や人件費高騰に耐えきれなくなった飲食店が過去最多を更新している。建設業(2041件)と不動産業(309件)も過去10年で最多の件数を記録しており、幅広い業種で苦境が続いている。
倒産の主な要因として、物価高、人手不足、後継者難が深刻化している。物価高倒産は963件と2年連続で過去最多を更新し、建設業(247件)、小売業(227件)、製造業(177件)を中心にコスト上昇分を価格転嫁できない実態がある。また、人手不足倒産は441件となり、初めて400件を超えて過去最多を大幅に塗り替えた。後継者難倒産も533件と高水準で、うち45.2%が経営者の病気・死亡に起因しており、事業継続が困難になるケースが増加している。
地域別の動向では、東北を除く8地域で過去10年の最多件数を更新した。特に関東は3525件と全体の33.8%を占め、北陸では全県で前年度を上回る16.1%の大幅な増加率を記録している。都道府県別では、栃木と新潟が2000年度以降で最多、徳島が最多タイとなった。
今後の見通しについて帝国データバンクは、2026年度も倒産件数が増加する可能性が高いと分析している。4月に発表されたアメリカの関税政策に伴う大手企業の業績低迷、11月以降の日中関係の悪化による訪日中国人の減少やレアアースの輸出規制、そして3月の原油価格急騰と、海外情勢の急激な変動が国内のサプライチェーンに悪影響を及ぼしている。経営基盤の安定性や価格転嫁の可否による企業の二極化が加速しており、夏頃から倒産が急増する懸念が示されている。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り0%