ヤヱガキ醗酵技研 独自キノコ菌糸体を用いた代替肉開発に取り組む

ヤヱガキ醗酵技研(兵庫県姫路市)は2023年6月1日、同社独自のキノコ菌糸体を用いた代替肉の製品開発をオランダのNIZO Food Researchと行うことで合意し、その合意書調印式をオランダ大使館で2023年5月9日に実施したと発表した。同社は以前より培養技術を用いた新領域の事業化を目指して研究開発を進めてきたが、持続可能な社会形成のための新事業として、今後日本の伝統的な麹菌を始めとしたキノコ菌糸体をベースとした代替肉の研究開発に注力していく。 

NIZO Food Researchは、代替タンパク質の加工・保存・品質管理の分野における欧州のリーディングカンパニーで、革新的代替食品の製品開発に関わってきた。ヤヱガキ醗酵技研は今回、独自のキノコ菌糸体株を持続可能で有望な代替タンパク源候補として発見し、NIZO Food Researchとこの分野におけるより深い共同研究を行うことで合意した。今後、2社は長期にわたり連携し、NIZO Food Researchの持つ代替タンパク源の加工技術と、ヤヱガキ醗酵技研の持つキノコ菌糸体を用いて、「新たな食(製造)文化」の共創を目指す。

ヤヱガキグループは、兵庫県姫路市で350年の歴史を持つ日本酒の酒蔵・ヤヱガキ酒造を中心としたグループ企業で、ヤヱガキ醗酵技研は1979年に機能性食品原料と発酵技術の研究開発を目的としてヤヱガキ酒造より分社化した。ヤヱガキ醗酵技研は50年の歴史の中で様々なキノコ菌糸体や麹菌菌糸体の発酵、培養技術を研究開発し、美味しさを含めた機能性研究を行ってきた。

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合意書調印の様子。左よりNIZO社代表、Denise Lutzオランダ農務参事官、ヤヱガキ醗酵技研代表 長谷川雄介氏