農水省 大学発ベンチャー支援で機能性ナスサプリ企業など3社を選定

農林水産省は、大学などが保有する研究・技術シーズを基にしたベンチャー企業の設立・事業化を支援する事業の支援対象として3件を決定した。2021年10月5日に発表した。「農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」によるもの。

同事業の支援対象は、農林水産業・食品産業が抱える課題の解決に役立つ研究・技術シーズを持つ研究者や、それをもとに設立された大学発ベンチャーだ。今回は11件の応募があり、次の3件を採択した。支援対象となった3件は、委託事業者である野村総合研究所から、事業化に向けて必要となる各種支援を受ける。支援期間終了後には、農水省で実施するイベントにおいて成果を発表することになっている。

信州大学発ベンチャーのウェルナス(東京都港区)は、規格外ナスを原料にしたサプリメントを開発・販売している企業。現在、ナスサプリの効果を最大化できる個別最適化技術を搭載したモバイルアプリを活用した新規販売法を開発中だ。

輝翠TECHは、東北大学の技術をもとに、丘陵地帯で自律走行できる車輪ロボットを活用したシステムを安価に農家に提供することを目指す。リンゴなどの作物の運搬や、農場の見回り・情報収集などをロボットで行い、少人数でより大きな農園を管理できるようにする。

岐阜大学発のサグリ(兵庫県丹波市)は、AIを用いた衛星データ解析で圃場の土壌診断を数十秒で完了する技術の実装を目指す。過剰な施肥を抑制してコスト削減につなげるとともに、農耕地から発生する温室効果ガスの抑制にも寄与できるという。

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