AI戦略2022を発表 危機への対処にAIを活用

政府は2022年4月22日の統合イノベーション戦略推進会議で、「AI戦略2022」をとりまとめ、発表した。2019年6月に策定したAI戦略の4つの戦略目標(人材、産業競争力、技術体系、国際)に加え、2021年6月には「差し迫った危機への対処」が追加設定された。

今回の戦略には、「差し迫った危機への対処」の具体的な目標を検討した。国の危機に対するレジリエンス向上、すなわち大規模災害の被害最小化とその後の日本の復興への貢献と、地球規模の危機に対応するレジリエンス向上、例えば環境や人類社会の持続可能性の確保を2つの大きな目標とした。これらのベースとなるAIの信頼性や安心・安全を担保する強靭な基盤づくりも実施する。

また、AIの社会実装に向けた取組も引き続き推進する。産業化を見据え、ディープラーニングを重要分野として位置づけ、企業による実装を念頭に置いた施策を実施する。例えば、AIの信頼性を向上させるために透明性や説明性を確保したり、AI活用の基になるデータを充実させたり、人材確保のための環境を整備していく。また、公共部門や政府機関においても、AI利活用を推進する。

AIは応用範囲が広く、技術的にも多くの研究分野と密接な関係をもつ。今回の戦略では、量子、バイオ、材料科学などに代表される政府の他の戦略的な取組とのシナジーも追求すべきであるとしている。

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