廃棄テーブルクロス年間20tをゼロに アップサイクル「eterble」でCO2排出量57.8%削減

株式会社ワールドサービス(WSG World Service Group)は、結婚式やパーティー用レンタルテーブルクロスの廃棄物を原料とするアップサイクルブランド「eterble(エターブル)」を展開し、国内生産の循環サイクル確立でCO2排出量57.8%削減を実現した。


株式会社ワールドサービス提供

同社はレンタルテーブルクロスでシェア7割以上を持つが、祝いの席で使われるクロスはほつれなどがあると使用できない。そのため、株式会社ワールドサービスでは年20tを焼却廃棄しており、その状況に胸を痛めていた。この「使い捨てをしない、エコなはずのレンタルで大量廃棄が生じ、環境に大きな負荷をかけているのはおかしい」という課題意識のもと、同社はテーブルクロスの再生に挑戦した。

ポリエステル生地を糸にし、染色せずに再びクロスに織り上げるアップサイクルを実現し、生地は再度レンタルに使うほか、一般向けに「eterble」を立ち上げて販売した。これらの取り組みで、アップサイクルなどで廃棄年20トンがゼロを達成した。再生クロス「eterble」は、当社の通常のクロスに比べてCO2排出量において57.8%と大幅に削減できており、CO2削減貢献量は1㎡当たり29.34 kgCO2eだ。

「eterble」の原材料は使えなくなったレンタルのテーブルクロスであり、染色しないことで水の汚染と水の使用を削減して生産されている。この循環サイクルは、1. 廃棄・原料の回収、2. 裁断(カット)、3. 紡績(新しい糸へ再生する)、4. 織機(新しい生地へ再生する)、5. 縫製(新しいテーブルクロスを作る)、6. 使用する(テーブルクロスを使用する)のプロセスで構成されている。また、美しい色とデザインにより、多くの客がアップサイクルと知らずに購入しているという。

2022年の販売開始以降、「eterble」は染色なしで生み出された美しい色、こだわりのデザイン、取り扱いのしやすさでファンを増やし、茶道や盆栽など日本の伝統文化とのコラボレーションも積極的に行っている。また、開発した再生ポリエステル生地「eterble fabric」を使って企業のノベルティなどをつくるOEMを開始した。今後は、他社の廃棄予定の布製品(シーツ、タオル、カーテン等)のアップサイクルも進めていく予定だ。

株式会社ワールドサービスは「テーブルを囲む幸せな時間が、地球の未来を傷つけてはならない。」という想いで、サステナブル・ライフの実現に向けテーブルリネンづくりに取り組んでいる。ホテル・飲食業界、アパレル業界は製造や廃棄の過程で環境に大きな負荷をかけており、各企業は対策を求められるようになっている。