リーガルテック、特許調査AIで「再生可能エネルギー×AI」の国内特許動向を調査 発電予測・設備保守・VPP制御の3課題を抽出

リーガルテック株式会社は、特許調査・発明抽出プラットフォーム「MyTokkyo.Ai」を活用し、「再生可能エネルギー×AI」領域における国内特許動向の調査レポートを公開した。調査は、MyTokkyo.Aiに収録された日本国内の公開特許・登録特許を対象に、2019年から2026年を主な期間として実施。再生可能エネルギー関連の技術キーワードと、機械学習・深層学習・異常検知などAI関連のキーワードを組み合わせて検索し、太陽光発電、風力発電、蓄電池、VPP(仮想発電所)に関する特許を分析した。その結果、発電量予測の精度向上、設備の劣化予測・保守最適化、分散型エネルギー資源の統合制御という3つの技術課題を抽出している。

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発電量予測の精度向上は、気象予測データと過去の発電実績を組み合わせ、機械学習によって短時間単位や広域の発電量を予測する技術を指す。太陽光では三菱電機の「日射強度予測装置」、風力では東北電力・東北大学による「風力発電予測装置」が確認された。設備の劣化予測・保守最適化は、設備に設置したセンサーからデータを取得し、通常時のデータと比較して異常や損傷の兆候を早期に検知する技術で、日立パワーソリューションズの「風力発電システムの異常予兆診断システム」が例に挙がる。分散型エネルギー資源の統合制御は、複数のEVに搭載された蓄電池の充放電を制御する技術や、発電量・市場価格・電力需要などの変動を考慮して運用を最適化する技術を指す。トヨタ自動車・豊田通商は複数車両の車載電池の充放電可能量を算出し、車群全体への出力要求に応じて充放電を制御する技術を、三菱電機は再生可能エネルギーの生産量や市場価格などの変動を考慮してエネルギーの配分や入札を最適化する技術を持つ。

調査に用いた「MyTokkyo.Ai」は、自然文による特許調査に対応し、関連特許の検索・要約・比較、技術資料と特許公報の対比、発明提案書や出願準備資料の作成支援までを一貫して行うツールである。今回のレポートも、同社がこのプラットフォームを用いて特許を横断的に分析し、技術課題ごとに整理する形でまとめられた。

レポートは、今後注目される技術領域として3点を挙げている。1つ目は「説明可能AI」で、AIがどのような情報を根拠に判断したのかを分かりやすく示す技術。2つ目は「設備データの統合・標準化」で、異なるメーカーや世代の設備から取得されるデータを、AIが扱える形式に整理・統合する技術。3つ目は「熟練技術者の判断のAI化」で、過去の点検記録、修理履歴、センサーデータ、技術者のコメントなどを組み合わせ、熟練技術者の経験に基づく判断を再現する技術である。再生可能エネルギーの導入が広がるなか、発電量の変動や設備の保守負担、分散した電源の制御は共通の課題となっている。特許情報を通じて各社の技術開発の方向性を可視化する取り組みは、業界全体の動向を把握するうえで一つの手がかりとなりそうだ。