NovAccel 12億円を調達、がん治療用RI製造の加速器開発を前進
NovAccel(茨城県土浦市)は、既存投資家のUTEC6号投資事業有限責任組合に加え、ファストトラックイニシアティブ4号投資事業有限責任組合(FTI)、DCIベンチャー成長支援2号投資事業有限責任組合(DCI、運営は大和企業投資)、アトックス(ATOX)、ヨシダなどを引受先とする第三者割当増資により、ポストシードラウンドで総額12億円の資金調達を実施した。2026年5月11日に発表した。2025年7月のシードラウンドで実施した7.3億円と合わせ、創業からの累計調達額は約20億円規模となる。NovAccelは、新しいがん治療として注目される標的アルファ線療法(TAT)に不可欠なアクチニウム225(Ac-225)の安定供給体制構築を目指す企業。その製造に必要な小型超伝導加速器「RiSA」を開発している。
調達した資金は、Ac-225原料となるラジウム226(Ra-226)の国際的な調達体制の強化と、RiSAの開発・アイソトープ製造設備の年内(10月を予定)完成に向けた設備投資に充てる。同社は2025年9月、国際原子力機関(IAEA)が主導する「グローバル・ラジウム・イニシアティブ」に国内民間企業として初めて参画しており、現在、各国政府や公的機関とRa-226調達に向けた具体的な交渉を進めている。また、先に発表した「アクチニウム225(Ac-225)の高純度抽出成功」を受け、2026年第4四半期からのサンプル提供開始に向け、放射線遮蔽グローブボックスの導入や自動抽出装置の開発、医薬品・医療機器の品質規制に準拠した製造体制の確立を進める。
資金調達に参加した各社との協業も行う計画だ。放射線管理や医療用RIの分野で実績を持つATOXおよびヨシダは事業会社パートナーとして参画し、製造過程における安全管理や高度なハンドリング技術、グローブボックスの気密性や遮蔽技術の知見を提供することで、Ac-225の安定供給体制の構築を支援する。
NovAccelが開発する「RiSA(Radio-isotope production Superconducting Accelerator)」は、医療用RIの製造専用に設計された小型超伝導電子加速器で、4K冷却技術と2.6GHz空洞技術の採用により、小型化と省電力化を実現している。標的アルファ線療法(TAT)の中核を担うAc-225は、世界的な供給不足が治療や研究の進展における制約となっており、同社はこの構造的課題の解決に取り組む。今回の調達を契機に、日本が放射性医薬品製造の分野で世界を牽引する基盤づくりを加速させる方針だ。