Synspective、Rocket Labと衛星20機の打上げ契約 SAR衛星網を計画的に拡充
株式会社Synspectiveは、ロケット打上げサービスを手がける米Rocket Lab社と、小型ロケット「Electron」による自社衛星20機の専用打上げ契約を締結したと発表した。打上げは2028年から2031年にかけて実施する予定。同社はこの契約を史上最大の打上げ契約と位置づけており、Rocket Lab社にとっても、単一の顧客と結んだ複数回打上げ(マルチローンチ)契約として最大規模になるという。
Synspectiveは2018年に創業し、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用から、取得したデータの販売、課題解決に向けたソリューション提供までを一貫して手がける。SAR衛星は電波を地表に照射して反射を捉える仕組みのため、昼夜や天候に左右されずに地表を観測できる。同社はこの衛星「StriX(ストリクス)」を多数連携させる「コンステレーション(衛星群)」の構築を進めており、高頻度・高解像度で地球規模の変化を捉える観測網の整備を目指している。
20機分の打上げ枠を一度に確保する狙いは、2030年代初頭までの打上げ機会をあらかじめ押さえ、コンステレーションの拡充を計画的に進める点にある。専用打上げは、他の衛星と相乗りする場合と異なり、投入する軌道や時期を自社の計画に合わせて主体的に決められるため、衛星網を設計通りに展開しやすい。打上げの見通しを長期にわたり確保することで、同社は災害対策や安全保障、環境モニタリングといった分野で、各国の顧客に向けたデータおよび解析サービスの提供を拡大していく構えだ。
両社の関係は長く、Rocket Lab社は2020年以来Synspectiveの打上げパートナーを務めてきた。SynspectiveはElectronの初期からの顧客にあたり、これまでに13機のStriX衛星の打上げに成功している。今回の20機を加えると、両社の打上げ契約は累計47機となり、うち34機が今後打ち上げられる予定だ。Synspectiveの新井元行CEOは、両社の関係が技術面の進展だけでなくチーム同士の信頼に支えられてきたと説明。Rocket LabのPeter Beck CEOも、20機の一括契約は打上げの頻度やミッションの信頼性、軌道投入の精度に対する信頼の表れだとしている。
衛星コンステレーションを計画通りに広げるには、必要な時期に確実に打上げを行える体制が欠かせない。複数年にわたる専用打上げ契約は、事業者が自らの展開計画を主体的に管理しながら衛星網を整えるための土台となる。Synspectiveは確保した打上げ枠を活用し、昼夜や天候を問わず地表の変化を捉える観測インフラの整備を着実に進め、災害や環境の変化をとらえるデータ提供の基盤を世界各地へ広げていく方針だ。