青木純×嶋田洋平×長田昌之 街再生の新しい担い手たち

都市を取り巻く環境が変化する中で、新しいビジネスの担い手達が登場してきた。課題や潜在的ニーズから新事業を構想し、地域に新しい賑わいやコミュニティを創造する、3人の若きリーダーに、街×イノベーションの可能性を聞いた。

座談会に登壇したのは、メゾン青樹代表の青木純氏、らいおん建築事務所代表の嶋田洋平氏、ユウト代表の長田昌之氏。会場は長田氏がリノベーションを進める、東京都豊島区南長崎の築42年のアパートで行われた。3人は豊島区に活動の拠点を持ち、連携して地域の活性化にも取り組んでいる。

--まず、皆さんが取り組まれている事業についてお話し頂けますか?

青木 純(あおき じゅん)メゾン青樹代表

青木 仕事のメインは、東池袋にある築26年の「ロイヤルアネックス」という賃貸マンションの大家業で、「住まい手と一緒に部屋づくりをする」というスタイルが特徴です。2011年に祖父の代から続く大家業を引き継いだのですが、東日本大震災の影響もあり、空室が増えてしまって。試行錯誤の末、入居者と一緒に壁紙を選んで改装していく仕組みを導入したら、1年足らずで満室になり行列のできる賃貸マンションになりました。壁紙を選べることが奏功したのではなく、その人に合うものを一緒に探すことで信頼関係が築けた結果だと思います。

最近ではオーダーメイドやDIYなど、間取りから住まい手と共に改修する仕組みも導入。住まいへの愛着が深まった結果、住民たちは賃貸なのに「根を張った暮らし方」をしてくれます。3年間で夫婦が8組と、8人の子どもが誕生しようとしているのも偶然ではないのかも。

カスタムメイド・オーダーメイド賃貸の先駆けであり、入居希望者が行列する「ロイヤルアネックス」。共用リビングなど、住民同士がゆるやかに繋がるための工夫も。

嶋田 北九州市の小倉魚町周辺でリノベーションによる街づくりを手掛けています。かつては重工業で栄えたこの地域は、産業構造が変化して雇用が失われ、中心市街地に空き店舗や空き家が増えています。最大の要因は、人々の生活が変わったのに商店街がそれに応えていないこと。ならば、空き家の再生と、若い人たちが働き、暮らせる拠点づくりを通じて産業を集積させ育てようと、遊休不動産を活用したエリアマネジメントを行う北九州家守舎という会社を設立しました。

実際の遊休不動産を題材に、住民や全国からの参加者がリノベーションプランを策定し、不動産オーナーなどにプレゼンテーションして事業化を目指す「リノベーションスクール」という取り組みもしています。

長田昌之(おさだ まさゆき)ユウト代表

長田 大手ハウスメーカーで自由設計戸建住宅のプランニングを担当し、その後、ITベンチャー企業でマンションコミュニティ形成支援事業を立ち上げました。今年設立したユウトでは、「みんなでつくるシェアハウス」をコンセプトに、古い物件をリノベーションし、シェアハウス化する事業(名称:ユウトヴィレッジ)を展開しています。

ハウスメーカー時代、「共に住まいづくりをする」をモットーに、お施主様とのコミュニケーションを大切にしていました。退職して数年経ちますが、今でも遊びに行くご家庭もあります。だから、賃貸物件にも入居者と共に住まいを作り上げるというプロセスを取り入れたかった。さらに、それがシェアハウスだったらもっと楽しいと思ったのがきっかけです。

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