経産省 温暖化防止策のための資金の確保について戦略を発表

経済産業省は、2020年9月16日、「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を取りまとめたと発表した。9月11日に開催した第5回「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」(座長:伊藤 邦雄 一橋大学大学院経営管理研究科 特任教授)で決まったものだ。再生可能エネルギー利用など、既に投資を集めている取組のほか、低・脱炭素化への移行と、温暖化防止策に関するイノベーションのためのファイナンスの重要性について、日本から国際的に発信していく。

「環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会」は、2020年2月17日に設置された組織だ。今回発表した戦略は検討の中間とりまとめとなる。
検討会では、着実に低炭素化・脱炭素化を進める「移行(トランジション・T)」や「イノベーション(I)」に向けた取組に対して資金供給が促進されるための方策を検討してきた。今回の戦略では、トランジション、グリーン(再生可能エネルギーの利用など、G)、革新イノベーションのTIGを「3つの重点分野」として同時に推進していくことがSDGsやパリ協定の目標達成には不可欠であるとした。これらの事業に対して、公的資金・民間資金をファイナンス(F)していくことが重要になる。

基本的な考え方としては、クライメート・イノベーションのために、TGIFを同時推進していくことを提示した。このために、(1)政府が気候変動対策へコミットすること、(2)企業の積極的な情報開示、(3)資金の出し手によるエンゲージメントの「3つの基盤」を整備していくという。

同戦略には、2021年11月に英グラスゴーで開催されるCOP26までのスケジュールも含まれている。グリーン投資ガイダンスの改定やゼロエミチャレンジ企業の改訂、トランジションファイナンス基本方針の発表などを予定している。

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