フォトシンス 鍵のクラウド化を進める新戦略を発表、資金調達も

2020年8月4日、法人向けクラウド型入退室管理システム「Akerun入退室管理システム」を提供するフォトシンス(東京都港区、月刊事業構想2016年10月号参照)は、新たに35億円を資金調達したと発表した。農林中央金庫、NTTドコモ・ベンチャーズ、三井不動産CVC、LINE Ventures、凸版印刷、BSPグループ、スクラムベンチャーズ、常陽産業研究所などを引受先とする第三者割当増資と、銀行などからの融資によるもの。

調達した資金は、キーレス社会を実現するためのアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」の推進に充てる。これは、仕事・プライベート問わず全ての鍵をクラウド化することを目指した同社の新戦略だ。この認証基盤を通じて、「AkerunユーザーID」として登録されているユーザーのメールアドレスや電話番号と紐づいたICカードに、指定のAkerunへのアクセス権限が付与できる。そしてAkerunのIDを様々な場所へのアクセス管理に用いれば、高度なセキュリティとユーザーの利便性が両立できる。

同日、フォトシンスは三井不動産との協業も発表した。フォトシンスは、オフィスビルなどの来訪者管理に用いる、既設のセキュリティゲートに後付けで導入できる「Akerun来訪管理システム」をこのほど開発した。普段持ち歩いている交通系ICカードなどを「AkerunユーザーID」として事前に登録すれば、他社を訪問する際などのビルエントランスでの登録が不要になる。協業に基づき、日本橋室町三井タワーの三井不動産の新オフィスで「Akerun来訪管理システム」を活用した実証実験を実施している。

フォトシンスの主要サービスの1つであるAkerunは、オフィスのドアの鍵にデバイスを後付けすることで、簡単にスマートロック化とクラウド管理を実現するサービス。物理的な鍵の受け渡しを行う必要がなく、遠隔操作で鍵を発行可能なため、シェアオフィスや貸しスペースなどへの導入も広がる。無人化や多様な働き方の推進など、多くのニーズに対応するものだ。また、人々の動きやオフィスなどの入退室履歴をリアルタイムに確認できるため、勤怠管理の改善や人員配置の最適化等、業務の効率化にも寄与する。

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