中小企業庁「地域にかがやく わがまち商店街表彰2026」表彰式 15社19名を赤沢亮正経済産業大臣が顕彰 成功事例を全国へ
中小企業庁は7月10日、「地域にかがやく わがまち商店街表彰2026」(経済産業大臣表彰)の表彰式を開催した。同表彰は「商店街」という場を活かし、地域活性化に資する取組を行う者を顕彰する制度。受賞者の取組の成功要因を分析し、他地域へ広く共有することで、全国的な商店街活性化・地域活性化につなげることを目的とする。今回は15社・19名が受賞した。
式の冒頭、赤沢亮正経済産業大臣が挨拶に立った。生産性向上や価格転嫁、事業承継などへの支援に触れ、「稼ぐ力の強化と持続的な賃上げを実現する経営転換を、力を合わせて進めたい」と述べた。商店街を「地域経済の基盤を支え、エッセンシャルサービスを提供する空間」と位置づけ、AIトランスフォーメーションの加速による抜本的な経営革新への期待も示した。受賞者に対しては、組織の若返りや個性的な店舗誘致による回遊性の創出などの取組を評価し、「皆様を心から誇りに思う」と讃えた。
続いて受賞15社・19名に赤沢大臣から感謝状が贈呈され、記念撮影が行われた。受賞者を代表して挨拶した協同組合中之町商店会(岡山市)理事長の片山進平氏は、30歳で理事長に就いてからの15年を振り返り、「商店街は日本を救う」との思いを語った。地元店が残る商店街ならではの営みの魅力に触れ、「各地域の商店街が活性化し経済が回れば、この国は元気になる」と結んだ。
表彰式に続くセミナーでは、受賞団体のうち3者が取組を紹介。審査委員長の足立基浩・和歌山大学副学長、審査員の田中里沙・事業構想大学院大学学長、広井良典・京都大学名誉教授が列席。足立氏と田中氏は、紹介された事例に対して講評を述べた。
石川県七尾市の一本杉通り振興会は、能登半島地震からの復興を報告。2007年策定の「一本杉通り1000年ビジョン」を土台に、「向こう三軒両隣」の精神と外部人材との関係づくりを重ね、営業再開率約8割まで回復した歩みを共有。今後は「四季と五感と向う三軒両隣りを、ずっとずっと紡ぎ続ける」を掲げ、商業の場を超えて、地域の誇りと「人との繋がり」を再生する拠点として歩み続ける決意を語った。
協同組合中之町商店街(岡山市)は、2017年以降、中之町エリアに50店舗超の誘致に成功した「仕掛け」として紹介。30代を中心とした若い世代を理事に登用したこと、地権者を巻き込み、理解を得ながら未活用物件のリーシングを進めたことを挙げた。
埼玉県本庄市の本庄デパートメントは「商店街を遊び倒す」を掲げ、5年間で半径200m圏に16拠点を生んだ活動を紹介した。本庄市の「外」から移住した早川純氏と大橋千賀耶氏が、私設の公園を中心に地元の人と多様なイベントを展開するとともに、銀座エリアの空き店舗も活用したマーケットを定期的に開催。人々が歩き、出会い、触れ合う商店街を形作ってきた歩みを紹介した。
足立基浩・審査委員長は総括として、「商店街の地域づくりは宝探し」と表現。受賞商店街に共通する特徴として、まちづくりの仕組みの構築、地権者を巻き込んだエリアマネジメント、女性組織の活躍、地域全体を巻き込む姿勢、社会的課題への対応、独自性、データの整備と可視化を挙げた。地域内で資金が循環する「地域経済循環率」を高める観点から、商店街が担う役割の大きさを改めて強調しながら、受賞者の取組を称えた。