ゼスト、在宅医療・介護向けクラウド「ZEST」に生成AI機能 試験運転で全顧客に無料提供
株式会社ゼストは、訪問看護・訪問介護・訪問診療・有料老人ホーム向けのクラウドプラットフォーム「ZEST」に、生成AI機能「ZEST AIアシスタント」を追加し、提供を開始した。同社が掲げる「AIエージェント」構想の第一弾で、試験運転期間中は全顧客に無料で提供する。
新たに加わった機能は2つ。「サポートAI」は、Google Cloudの生成AI「Gemini」を活用し、システム操作に関する現場の疑問に24時間対応する。招待メールの再送手順といった操作方法を尋ねると即座に回答する仕組みで、入力したデータは大規模言語モデル(LLM)の学習には使われない。もう一つの「空き枠検索AI」は、新規利用者を受け入れる際に、条件に合う職員の空き時間を自動で探し出す。入力条件が不完全でもAIが補い、移動時間を考慮した候補を提示するほか、推奨する理由も説明する。
ゼストはこれまで、訪問スケジュールを自動作成する「ZEST SCHEDULE」、現場スタッフ向けの「ZEST HUB」、経営ダッシュボードの「ZEST BOARD」、営業支援の「ZEST RRM」、多職種連携の「ZEST MEET」で構成するプラットフォームを展開してきた。今回のAIアシスタントは、こうした既存の機能に組み込まれる。同社は今後、複数職員の予定を対象とした空き枠検索や、カメラによる名刺読み込みでの入力補助、経営レポートの自動生成など、段階的に機能を広げていく方針を示している。
背景には、在宅医療・介護分野の深刻な人手不足がある。同社は、煩雑なスケジュール調整に追われる経営者や管理者の負担を軽減し、採用や収益性の向上といった戦略的な判断に時間を割けるようにすることを狙いとする。従来の機能利用型のSaaSから、AIの活用を前提とした「AIネイティブSaaS」への移行と位置づけており、訪問サービスを担う事業所の持続的な運営を支える取り組みとなる。