スポーツ庁 第4期スポーツ基本計画の中間報告案を提示

スポーツ庁は2026年7月7日に開催したスポーツ推進会議(第11回)で、2027年度からの「第4期スポーツ基本計画」の中間報告案を提示した。同計画は2027~2031年度(令和9~13年度)の5年間を対象とするもの。

第4期スポーツ基本計画の中間報告案では、「スポーツの『楽しさ』で人や地域の可能性を引き出し、未来を切り拓く」をねらいに掲げた。背景には、2025年にスポーツ基本法が14年ぶりに改正されたことがある。社会状況の変化やスポーツを通じた社会課題解決への期待の高まりに対応し、ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良い状態)の向上とスポーツ権の実質化を図る観点で検討が進んでいる。

これまでの検討では、第4期基本計画の3つの重点課題を設定した。第1に、国民のスポーツ実施促進と「健康インフラ」構築を通じた、ウェルビーイング向上や経済成長への貢献。第2に、ハイパフォーマンスの追求とアスリートを取り巻く環境整備による成果・知見の社会還元。第3に、スポーツの意義や価値を生かした地域・社会への貢献だ。

主な数値目標として、学生期(18~24歳)のスポーツ実施率を60.9%から65%へ、子育て・働き盛り期を47.2%から55%へ引き上げる。あわせて男女差の解消も目標とする。経済面では、スポーツ市場規模を11.6兆円(2022年)から遅くとも2030年までに15兆円へ拡大し、訪日外国人のスポーツツーリズム関連消費額800億円などを目指す。

計画策定の前提となった第3期計画(2022~2026年度)の中間評価では、複数の課題が明らかになった。成人の週1回以上のスポーツ実施率は目標70%に対し2024年度で52.5%、障害者も目標40%に対し32.8%にとどまる。子どもの体力(新体力テスト総合評価C以上)も児童・生徒ともに目標を下回った。スポーツ団体の女性理事割合も目標40%に対し32.1%と届いていない。市場規模は2021年時点で10.0兆円と、2025年までに15兆円とした当初目標の達成は困難となり、目標時期を後ろ倒しした。

一方、パリ2024大会でメダル獲得数が過去最多になるなど成果も出ている。ただ、急激な少子化・人口減少による実施環境への影響、アスリートへの誹謗中傷対策、気候変動への対応、地域毎の格差解消など、策定時以降に顕在化した課題への取組が新たに求められている。EBPM(証拠に基づく政策立案)に留意しつつ、新たな時代にふさわしい目標・指標の在り方の検討が必要とされた。

第4期基本計画の策定作業は2025年11月21日のスポーツ審議会総会での河合純一・スポーツ庁長官による諮問に始まった。2026年に入ってスポーツ基本計画部会で基本的な考え方や中間報告素案を議論し、今夏にスポーツ推進会議で関係省庁と協議したうえで、スポーツ審議会総会が中間報告案を決定。その後パブリックコメントを実施する。秋頃には同総会が第4期計画を答申し、大臣決定・官報告示を経て、2027年4月に運用を開始する予定だ。