コーセー 創業80年に山梨で新工場稼働、水素活用でエネルギー地産地消モデル推進
コーセーホールディングスは2026年7月9日、山梨県南アルプス市で南アルプス工場を本格稼働し、同日に稼働式を行った。コーセーとして国内3つ目の生産拠点となる。山梨県の豊富な水を化粧品づくりに活用するほか、CO₂を排出しない県産の「グリーン水素」や県営水力発電由来の電力を採用し、エネルギーの地産地消モデルを推進する。創業80周年の節目での稼働となる。
同工場は、同社の中長期ビジョン「Milestone2030」の達成に向けた生産体制強化の一環として建設した。「工場探しは水源探し」との考えのもと、清澄な水に恵まれた山梨県に拠点を構え、企業メッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」に基づくサステナブルな工場として稼働する。稼働を契機に環境への取り組みを強化し、その中核を担う環境戦略として水ストーリー「Water, Life, Beauty」を策定・公開した。
化粧品製造に不可欠な熱エネルギーは、山梨県が推進する「やまなしモデルP2Gシステム」で製造されたグリーン水素を活用し、2040年までに化石燃料から段階的に100%水素へ転換する計画。県営水力発電由来のCO₂フリー電力や太陽光による自家発電も行う。水力発電のCO₂フリー電力で建設工事の全エネルギーをまかなうのは全国初の事例となる。
新工場建設において、同社は工場内物流の自動化による省人化のほか、デジタルを用いて熟練工の技術を再現できるようにし、働く人を中心に考える「ヒューマンファースト」を掲げてきた。山梨大学と共同で敷地内の水の由来を研究しており、稼働式では最新の生産ラインの披露や研究発表を行った。同工場への投資額は380億円、従業員数は90名で、最大稼働時は300名を予定する。主な生産ブランドは「コスメデコルテ」「雪肌精」「ONE BY KOSÉ」などのスキンケア製品。