環境配慮行動への転換を促す 『価値の可視化』が意識改革に

長年にわたり環境負荷の軽減に取り組む東京都大田区。区役所が課題の一つとする「コピー用紙の削減」を進めるために導入したのが「PaperLab」だ。大田区環境清掃部環境計画課に聞いた。

リサイクル工程可視化のため
「PaperLab」を導入

――「PaperLab」(ペーパーラボ)導入にはどのような背景があったのですか? また、導入の狙いを教えてください。

大田区では、平成12年に「大田区役所エコオフィス推進プラン」を策定し、現在に至るまで環境負荷の軽減に取り組んでいます。取り組みを進めるなかで課題の一つとなっていたのが「コピー用紙使用量の削減」でした。「PaperLab」を導入する前年、平成28年度のコピー用紙の使用量は、過去最高、重量にして400トンを超え、A4サイズに換算して積み上げると、なんとエベレストの標高を優に超えるというもので、これは何とかしなくてはと思いました。

大田区役所内の環境啓発コーナー内に設置された「PaperLab」

コピー用紙を削減するためには職員の意識改革が不可欠です。「PaperLab」によりリサイクル工程が可視化されることで、職員に紙の資源としての価値をしっかりと認識させ、環境意識を高めることができると考えました。

また、区の率先した環境配慮行動をお見せすることで、地域全体に環境にやさしい取り組みが広がっていく効果も期待しました。そのため、「PaperLab」は区の環境施策等をご案内する環境啓発コーナー内に設置し、「大きな窓」を付けて皆さんに見ていただけるようにしてあります。

さらに、この機械には、大田区内の企業で製造された部品が使われています。ものづくりのまち大田区としては、大変誇らしいことです。

環境意識を高め、
さらなる行動につなげる

――「PaperLab」を導入したことでどのような効果がありましたか?

「PaperLab」で再生した紙で職員の名刺や事業案内のチラシ、イベント等で配布するポストカードやスケッチブックなどを作成しています。これらには区役所の中で再生した紙を使っていることを表示しているため、大田区が環境意識の高い自治体であることを多くの皆様にPRできていると考えています。

また、子どもたちへの環境教育にも役立っています。社会科見学で来庁する小学生に「PaperLab」を見てもらい、参加記念品として再生した紙でつくったノートをお渡ししています。次代を生きる子どもたちに環境に関心をもってもらうきっかけとなり、ここから環境の「わ」を広げてもらえることにつながればと考えています。

――今後、「PaperLab」をどう活用していきますか?

大田区では、気候変動の影響を最小限に食い止めるため、区民一人ひとりが地球温暖化の問題を「自分ごと」として捉え、「省エネ・3R・グリーン購入」を実践する区民運動「おおたクールアクション」が昨年スタートしました。また、運動に賛同する企業・団体がおおたクールアクション推進連絡会を発足させ、自らの取り組みを共有・発信することで、活動の輪を広げていこうとしています。区も賛同団体の一つとして、「PaperLab」の取り組みについても、広く発信していきたいと考えています。

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