2020年7月号
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コロナ後の推測

耳を傾けすぎる(地方)政府の課題 インフォデミックへの対処を

西田 亮介(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 准教授)

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SNS全盛時代に発生した今回のパンデミックは過剰な情報が人びとの不安を煽り、対処を難しくする懸念をはらんでいる。情報発信を効果的に行い、民意を適切に聞く政治のあり方が求められている。

新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延は、これまで幾度も地震を始めとする自然災害に見舞われ、屈指の備えと対応力を有するはずの日本社会にも大きな影響を与えている。それは感染症における伝染という通常の災害とは異なった性質に起因するといっても過言ではない。伝染が不安を呼び、不安もまた伝染していく状況が生じている。

グローバル・インフォデミック
WHOによるその対処

WHOの対応は早かった。WHOは1月31日に新しいリスク・コミュニケーションチームEPI-WIN(Information Network for Epidemics:感染症のための情報ネットワーク)の創設を公表した。EPI-WINのミッションはSNSを中心とする「インフォデミック(infodemic)」に対処することであった。インフォデミックとは、情報を意味するインフォメーション(information)と感染症拡大(epidemic、pandemic)をあわせて作った造語だ。

「インフォデミック」には世界保健機関(WHO)も警鐘を鳴らす

EPI-WINは感染症拡大もさることながら、インフォデミックへの対応を初期から重要視していた。正確か否かにかかわらず、情報の過剰性が人々の不安感を刺激し、対処を難しくすることを懸念していた。

2011年の東日本大震災当時は、デマの流通や風評被害もあったが、日本のSNSの普及期にあたり、そのポジティブな側面に関心が集まった。しかし今回は状況が異なっている。既にSNSはスマートフォンなどのモバイルデバイスとともに人々の生活に浸透し、若年世代に限らない幅広い人達の情報収集ツールになっていた。

日本の課題

WHOの対応や、前述のような情報環境を踏まえて、政府や厚労省、内閣官房、首長などもそれらの活用を意識したようにも思われる。しかし幾つかの好例は認められるものの、多くの課題が残ったと思われる。

例えば省庁や政党のSNSアカウントにおけるテレビに対する「実名反論」。例えばEPI-WINはコミュニケーションの方針を「Identify(明確化)」「Simplify(簡素化)」「Amplify(拡散)」「Quantify(定量化)」と定めていたように、影響力の大きな日本の情報番組の間違いを具体的かつ客観的に批判、反論することそれ自体は、近年のリスク・コミュニケーションのトレンドにかなっているともいえる。

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