デザインを経営レベルに引き上げ 未来への種を蒔く

1972年に宝工務店として東京都板橋区で創業したタカラレーベンは、現在では全国供給戸数第8位に躍進する総合不動産デベロッパーだ。その躍進の背景に、デザインを経営に結びつけた一人の敏腕女性の姿がある。

文・矢島進二 日本デザイン振興会 理事

 

髙荒 美香(タカラレーベン取締役兼執行役員)

同社取締役兼執行役員の髙荒美香氏は、デザイナーではなく、様々なプロジェクトの販売責任者や営業推進の統括責任者を務めてきた方だ。当時、マーケティング戦略からデザインの重要性に気付き、経営層の賛同を求めてデザインの第三者評価制度に取り込んだほか、デザイン性を重視した新ブランド「NEBEL」を立ち上げた。現在では企業価値向上のためにデザインを経営レベルに引き上げる立場の一人だ。

髙荒氏は言う。「私は2000年に入社し、ずっと販売職でしたので、マンションをどう販売していくかを常に考えていました。安心・安全で、住み心地がいいのは基本ですが、さらにお客様の満足を上げていくためには、デザインに注力すべきと考えトライを始めました。その結果、セールス的にも成果が導け、経営層の理解が一気にあがりました。それまでは企画面でつかなかったデザインにも予算がつくように変わりました。今だから言えますが、入社当時、社内はデザインに対して全く無関心でした(笑)」

2008年に社のブランドを一新し、2012年から新しいマンションのブランド「LEBEN」を展開した頃から、「お客様にも業界の中でも、デザインにこだわる企業と認識されるようになりました」という。その先陣を切って推進してきた一人が、髙荒氏だ。

「当社にはデザイナーという専門職はいませんが、私たち販売を担当する部署は一人一人がクリエイティブにこだわっています。特に、マンションは現物を見てからでなく、建てる前に販売するものですので、お客様にどう伝えるかが重要で、そこにデザインは不可欠です。また、インテリアとエクステリアに関わるデザインは外部のプロと連携していますが、いいプロジェクトにするには、私たちにもデザインに関する理解や認識、美的センスが必要なのです」

現在では、販売や広報、ブランディングのスキームなど、プロジェクトごとに外部デザイナーをアサインし、マネジメントしているという。

デザインコードを設定し、コミュニケーションを統一しブランドの世界観を表現

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