2020年5月号
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事業を構想し実践する「ビジネスデザイン」

自動車部品メーカーが乗り合い送迎に進出 新しい交通をデザイン

志賀 竜也(アイシン精機 イノベーションセンター)、平野 幸司(idealShip 代表取締役)

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アイシン精機が新規事業として展開する乗り合い送迎サービス「チョイソコ」は、導入自治体数が10倍に拡大するなど大きな注目を集めている。事業のキーパーソン、同社イノベーションセンター志賀竜也氏とidealShip平野幸司氏に事業プランを聞いた。

文・矢島進二 日本デザイン振興会 理事

 

自動車は1台あたり3万点近くのパーツで構成されているが、その3分の1を担うと言われる自動車部品メーカー・アイシン精機は、日本を代表するモノづくり企業だ。2015年1月にイノベーションセンターを開設し、既存事業にとらわれない新規事業創発に本格的に取り組み、ここから誕生したのが「チョイソコ」だ。

志賀竜也 アイシン精機イノベーションセンター(右)、平野幸司 idealShip代表取締役(左)

デザイン・ブランディング会社のidealShipの平野幸司氏は以前から外部ブレーンとして同社に深くコミットし、そしてデザイン思考の求人枠で2016年6月にジョインしたのが志賀竜也氏だ。意思決定をよりスピーディーにするため、イノベーションセンターは1年前から社長直下に格上げされ、現在はスタッフ約70名の規模だ。

「チョイソコ」は「チョイとソコまで、ごいっしょに」の由来通り、気軽に普段使いができる乗り合い送迎サービスで、2018年7月から愛知県豊明市と、中部を中心に全国展開するドラッグストアチェーンのスギ薬局と連携して始めた新事業だ。

乗車賃は200円。運行は地元タクシー会社に委託。運行ログがとれ、行政は市民の動態が把握できる

自動車部品メーカー×
薬局×自治体

豊明市は名古屋市のベットタウンとして発展してきた街で、当初から導入に前向きだったという。平野氏は「この事業は、私達が考える課題解決を共有する自治体探しから始めました。偶然、豊明市が交通弱者対策を求めていたため、当プロジェクトは実現したのです。今では、市民の足として定着しています」と言う。

豊明市役所の健康長寿課のカウンター。行政が積極的にPRをしている

現在のチョイソコは、交通不便エリアに住む主に高齢者や障害者を対象に、自宅の最寄り乗降場から希望する乗降場まで、他の利用者との乗り合い型のサービスで、有償(200円)の公共交通として実証実験中だ。車は2台でハイエースを使い8人まで乗車できる。希望者は事前登録制をとり、電話とアプリで申込みを受けている。運行時間は平日9時から16時。現在の登録者は約1,600人で、平均年齢74歳。申し込みはほぼ100%電話で、乗車目的は買物と通院が8割、家族の見舞いや介抱も多く、それまでは気軽に使える移動手段がなかった市民にとっては新たな移動媒体になっている。

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