2020年3月号
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都市の未来と新ビジネス

日立×東京大学、産学連携で次世代スマートシティを創造へ

東京大学大学院、三井不動産、松山市、日立製作所

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企業の技術力とアカデミアの知力を組み合わせた研究開発を通じ『Society 5.0』の実現を目的に2016年6月に設立された日立東大ラボ。国内外の事例から探る、その最新の成果、および公民学協創の課題と可能性とは何か。

日立東大ラボが掲げる「ハビタット・イノベーション」とは、ものづくり(工学・技術開発)」と「まちづくり(適地展開・社会デザイン)」を統合的に組み合わせ「ハビタット(人の住まい方)」にイノベーションを起こし、Society 5.0の実現を目指す。その実装事例と成果と課題を、公・民・学の識者が各々の立場から論じ合った。

出口 敦 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授

首都圏近郊も地方都市も
ビッグデータの利活用がカギ

2019年6月に70を超える国内事例の中から国土交通省の「スマートシティ先行モデル事業」のひとつに選ばれた「柏の葉スマートシティコンソーシアム(千葉県柏市)」。都心からの交通アクセスの良さや東京大学や千葉大学など教育研究機関が進出している特徴を活かし、「柏の葉キャンパス」駅を中心とするエリア開発を進めてきた。市や柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)と共に幹事を務める三井不動産の山下氏は、「ゴルフ場だった場所につくばエクスプレスが開通した2004年から15年経ち、住宅約3,000戸のほか、ららぽーとなどの商業施設、新産業創造オフィスなどが揃いました。ハードのみならず電力のピークカット実現や災害時の電力供給体制の整備などエネルギーマネジメントも進んでいます」と、第一次スマートシティの先駆けとしての実績を語った。そして、人口減少、価値観の多様化、テクノロジーの加速度的な進行が予想されることを踏まえ、「モビリティ、データセンシングによる公共空間のデザインマネジメント、ウェルネス(健康生活の支援や医療との連携)を重点とし、人を中心としたデータ駆動型のまちづくりで課題解決を目指していきたい」と展望を述べた。昨年11月には自動運転バスの運行もスタートしており、街の交通の最適化をさらに推し進めていく計画だ。

山下 和則 三井不動産株式会社 執行役員 柏の葉街づくり推進部長

一方、人口約51万人の地方中核都市として“歩いて暮らせるまちづくり”を目指すのが愛媛県松山市である。道路空間の再編と共に進める歩行者空間の創出は「B/C(費用便益)に当たるものがないため『なんとなく良いだろう』という感覚で進めてきました」と過去の取組を振り返った。そのうえで、2005年から続けてきたプローブパーソン調査や日立東大ラボによる回遊行動調査(2017年実施)による蓄積データを集約してデータプラットフォームの開発を進めていると発表。「公・民・学で様々なシミュレーションをしていくデータ駆動型都市プランニングの実践により、都市計画事業に優先順位をつけられるはずだ」と展望を語った。

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