持続可能な水産業の実現へ 日本の漁業者と国際組織の懸け橋に
ウナギの絶滅危惧種指定や太平洋クロマグロの乱獲などが指摘され、不安視される日本の漁業。それを、ステークホルダーをつなぐビジネスで解決しようと挑戦するのがシーフードレガシーだ。その活動は、シーフードの持続可能性を守る活動を行っている国際団体からも高く評価されている。
花岡和佳男氏は、2015年、漁業における持続可能性の実現を目的にした企業シーフードレガシー(東京都中央区)を設立した。同社の目標は〈Designing seafood sustainability in Japan,together〉だ。
「シーフードという言葉は、単なる食べ物の魚という意味ではなく、海洋環境・水産経済・地域社会、この3つをつなぐ象徴として捉えています。つまり僕たちがサステナビリティを確立したいのは、3つの健全なつながりなのです」。
花岡氏は、2歳から高校生まで、海が身近なシンガポールとマレーシアで暮らすなかで、美しい海も壊れていく海も目の前にし、「僕の人生を海を守ることに使いたい」と思うようになったという。この思いが漁業の持続可能性の維持へとつながったのは、米国の大学卒業後、マレーシアのマングローブの環境を壊さずに行うエビの養殖に取り組んだとき。環境負荷の大きな原因に、故郷である日本への輸出があることを知り、現状を変えたいと考えた。帰国後、NGOで活動したが、問題提起だけでは社会は動かないことを実感し、ビジネスの側面から改善支援をすべく同社を設立したのだ。
事業の柱は、①小売店やレストランなどのバイヤー企業が持続可能な水産物を調達するためのコンサルティング、②漁業者への活動支援、③同じ目的を持ち、活動領域の異なる複数のNGO間のコーディネート、④政府機関とのリレーション、の4つだ。
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