職人育成から生まれたクラフトフェス 越前市「千年未来工藝祭」

東日本震災以降、日本人の暮らしや生活に対する価値観の変化や、地域創生などの影響もあり、「ローカリティ」がキーワードとして浮上。各地で芸術祭やオープンファクトリーが催されている。今回は、福井県越前市の「千年未来工藝祭」を事例に、行政の新しい仕組みづくりを考察する。

文・矢島進二(日本デザイン振興会 理事)

 

福井県越前市は、製造業の産業別付加価値額が60%で、福井県内の約30%を占める。また北陸3県で人口1人当たり製造品出荷額等は、石川県小松市や白山市、富山県射水市などを凌ぐ。信越化学工業、福井村田製作所、アイシン・エィ・ダブリュ工業など大手企業も多数擁し、先端産業と伝統産業とが共存する「モノづくりの町」だ。2023年春には北陸新幹線の敦賀延伸に伴う市内への新駅設置を控え、駅前の市庁舎の建て替えが進むなど、町の活気度は高い。

そうした中、伝統産業を新産業として捉え直し、同時に越前ブランドの創造、市民へのシビックプライド醸成などを目指して開催しているのが「千年未来工藝祭」だ。

メイン会場は「夜市」をモチーフに敢えて薄暗い空間に演出し、8月31日、9月1日の2日間で約11,000人を集める

千年未来工藝祭は、福井県越前市役所の産業環境部産業政策課"産業の森グループ"に所属する橋本康央氏が中心となり事業設計し、昨年から開催している。産業振興が目的で、2005年に設定した「越前市産業活性化プラン」等に基づく施策だ。同プランでは、意欲をもつ企業に対する支援と、企業の自立連携を促すことが明記され、また「知性と創造力に富んだ産業の森づくり」を掲げたので、橋本氏の名刺には"産業の森グループ"と記載されている。

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