ESG金融で世界が変わる 95兆ドルのビジネスチャンス

SDGsとパリ協定が求めるESG金融が世界を変え始めた。それが生み出す巨大なビジネスチャンスを求めて世界の金融とビジネスが躍動している。それを支える国家政策も総合力の競争時代になったいま、日本の戦略は。

末吉 竹二郎 (国連環境計画金融イニシアティブ 特別顧問)

企業のサプライチェーン全体での脱炭素、社会課題解決への気運が高まっている。10年以上前から温暖化や飢餓、貧困などの問題と経済、ビジネス、金融の在り方を言及してきた末吉竹二郎氏は、「当然のことが、ようやく起こってきた。問題は極めてクリアです。SDGsやパリ協定が問題にしている地球規模の課題、社会問題の原因を作ったのは我々のビジネス。ビジネスが作ってきた問題を解決するには、ビジネスを変える以外に方法はないのです」と話す。

COP24会場

金融は社会の審査機能

三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)出身の末吉氏が、環境金融の世界に関わり始めたのは、第2の職場、日興アセットマネジメントで日本初のエコファンドの立ち上げに関わったきっかけ。その後、2003年に国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)の特別顧問に就任した。

「当時、円卓会議でドイツ銀行の頭取が、環境と金融の融和性を自分の言葉で語るのを聞き、ショックを受けたことを覚えています」(末吉氏)。

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