2019年5月号
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スポーツの祭典をビジネスの契機に

アシックス社長が語るeスポーツ、IoT 個に合わせた体験を提供

廣田 康人(アシックス 代表取締役社長COO)

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2019年のラグビーW杯を皮切りに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズと、国際的なスポーツの祭典が次々と日本で開催される。“ゴールデン・スポーツイヤーズ”を契機とした今後のスポーツビジネスの事業戦略とは。

廣田 康人 (アシックス 代表取締役社長 COO)

青少年の健全な育成目指し創業

元三菱商事で代表取締役常務執行役員を務めた廣田康人氏は、2018年3月29日付でアシックスの代表取締役社長COOに就任した。

安倍政権は、2016年に発表した『日本再興戦略』において、2020年までにGDP600兆円の達成を目指しているが、その1つの核としてスポーツを位置づけている。2019年からは、“ゴールデン・スポーツイヤーズ” に突入し、スポーツ業界にとっては大きなチャンス。世界での競争が激化する中、廣田氏は重要な舵取りを任されたと言える。

アシックスの前身となる鬼塚株式会社の創業は 1949年。戦後の荒廃した時代、“スポーツを通じて青少年たちの健全な育成に貢献したい”と創業者・鬼塚喜八郎によって設立された。アシックスの社名は、古代ローマの風刺詩人ユベナリスの名句“健全なる身体に健全なる精神が宿れかし”のラテン語“Anima Sana In Corpore Sano”の頭文字を用いて名付けた。

2005年から 2015年まで、右肩上がりで順調に成長してきたアシックス。その背景には、2007年に始まった東京マラソンに代表されるマラソンブームがあった。

事業領域は、競技スポーツを中心としたシューズ、ウエアなどを展開する『アスレチックスポーツ事業領域』、スポーツライフスタイル系のファッショナブルなスニーカーなどを提案している『スポーツライフスタイル事業領域』、スポーツ分野でつちかった知見を盛り込んだ、ビジネスシューズや機能訓練特化型デイサービスなど、健康で快適なライフスタイルを提案する『健康快適事業領域』に広がっている。

「国内10社、海外48社で全世界に販売体制を構築しています。米国、欧州、アジアパシフィックなど、売上の75%を海外で上げているという、日本では稀な企業と言えます。私は商社から移ってきましたが、アシックスは、商社に引けを取らないくらい国際化の進んでいる企業です」(廣田氏)。

働き盛りの年代にスポーツを

スポーツを日本再興戦略の1つの核として位置づける日本政府は、スポーツ市場規模を2015年の5.5兆円から2025年には15兆円に拡大することを目標に掲げる。また、スポーツ実施率を、2015年の40.4%から2021年には65%に上げることを目指す。

「経済が発展し社会が便利になると、身体を動かす機会が減り、運動能力は低下していきます。最近ではキャッチボール禁止の公園なども多く、スポーツのしにくい環境になっている現状もあります。経済が発展し、世の中が便利になればなるほど、人は意識的に身体を動かす必要が出てくるのです」(廣田氏)。

スポーツ庁が発表している、平成29年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、スポーツの実施率が最も低いのは、子育てや仕事で忙しい 30~40代。意外にも実施率が最も高いのは 70代となっている。

「日本では、30代、40代の、働き盛りの年代のスポーツ実施率をいかに上げるかが課題となっています」(廣田氏)。

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