広がる「リカレント教育」市場 スキル習得に限らぬ多様なサービス

人生100年時代や第4次産業革命を背景に、社会人の間で関心が高まっているリカレント教育(学び直し)。教育機関のみならず民間事業者からも、新たなスキルの習得や、キャリア形成を支援するためのリカレント教育プログラムが多数登場している。

9,000億円に達する自己啓発市場

社会人の学び直し、すなわち「リカレント教育」のニーズが拡大している。共同通信が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに依頼した調査によれば、書籍や各種スクール、社会人大学院などの「自己啓発」に関する国内市場規模は、2016年で推計9,049億円。1989年に比べて約3倍に伸びている。

リカレント教育が求められるようになった背景には、企業と人を取り巻く環境の大変化がある。

人口減少が深刻化し、特に生産年齢人口の減少が顕著になる中で、企業においては"いかに優れた人材を集めるか"が勝負の時代になってきている。また、これまで多くの人の人生は、教育(学校)、仕事(会社)、引退後の余暇という3つのステージで構成されていたが、いわゆる「人生100年時代」の到来によって、生きることと働くことはほぼ一体化していく。

終身雇用や年功賃金などの日本型雇用システムが崩壊し、IoTやAIの進化による「第4次産業革命」を迎えている今、人が付加価値を発揮し続けるためには、絶えずリカレント教育を通じたアップデートや新たなスキルの獲得が必要不可欠となっている。

文科省、経産省の動向

リカレント教育は政府全体のキーワードだ。2017年11月の「人生100年時代構想会議」において、安倍晋三首相はリカレント教育の拡充に向けた環境整備を表明。文部科学省と経済産業省において具体的な取り組みが進められている。

図1 人生100年時代の「学び場」

出典:経済産業省産業人材政策室

 

文部科学省は、大学などでのリカレント教育の拡充に向けて、①プログラムの供給拡充(産業界のニーズを踏まえプログラム開発、放送大学やMOOCの講座大幅拡充)、②実践的な教育を行える人材の確保(実務家教員の育成と人材共有プラットフォームの構築)、③受講しやすい環境の整備(習得できる知識や技能の見える化、学習費用の軽減)を進めている。

一方の経済産業省は、働き方改革や企業の生産性向上の観点から、リカレント教育の普及に取り組んでいる。同省が設置する「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」は、社会全体として人材の最適配置が行なわれるよう、①リカレント教育の充実、②転職・再就職の円滑化、それらのベースとなる③必要とされる人材像の明確化や確保・活用、④産業界として果たすべき役割、などをパッケージで検討してきた。

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