スクールビジネス参入が活発化 成功するサービス設計とは?

企業や団体が、保有するナレッジやノウハウ、コミュニティを活用してスクール形式の教育事業に参入する例は多い。テクノロジーの進歩や社会課題の多様化によって、その教育科目も細分化している。

まちづくり分野ではスクールビジネスが活発(左:エリアマネジメントの導入例であるグランフロント大阪、右:佐賀市のリノベーションまちづくり)

新しい「仕事」と「技術」を学ぶ

技術革新や社会変化により、新しいニーズや課題が生まれ、それに対応できる人材や職業も必要とされるようになる。スクールビジネスを推進する上では、このような変化を捉えて講座やカリキュラムを作成することが大切になる。

その好例が「まちづくり」領域である。まちづくりに関しては、首都圏一極集中や地方の過疎化、空き屋の増加などの問題が山積しており、新しいスクールビジネスも活発だ。

まちづくりコンサルティング会社のクオルは、「エリアマネジメント」に特化したスクール事業を2018年に立ち上げた。エリアマネジメントとは、ブランド力の醸成やコミュニティの構築によって開発エリアの魅力を高めるまちづくり手法。本年6月には地域再生法が改正され、「地域再生エリアマネジメント負担金制度」が創設されるなど注目が集まる。一方で、まだ日本では新しい概念のため、専門人材が育っていないという課題もある。

スクールではエリアマネジメントを体系的に理解するための講座を実施。5月に開講した「エリアのにぎわい戦略講座」では、調査分析から地域資源発掘、仮説設定、イベント計画、PR計画、評価設定までを約3カ月かけて学んだ。受講生は不動産業従事者だけでなく、鉄道会社やイベント制作会社、商業施設開発会社、広告代理店など幅広い業種から集まっている。受講料は15万円。好評のため今秋から第2期講座の開始を計画している。

同じくまちづくり領域で「リノベーションまちづくり人材」を育成するのが、リノベリングが運営する「プロフェッショナルリノベーションスクール」だ。リノベーションまちづくりは、空き家や空きビルなどの遊休不動産と地域資源を組み合わせ、地方都市などの縮退エリアを再生する手法で、2010年代から日本各地で成功例が生まれている。この分野のトップランナーであるOpen Aの馬場正尊氏やブルースタジオ大島芳彦氏らが講師となり、その方法論を教えるスクールで、開講以来高い人気を誇っている。

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