大手予備校の真逆を行く 動画授業「学びエイド」が伸びる理由
教育サービス参入のポイントは何か。日本初の学校内予備校サービスを生み出し"リアルドラゴン桜"と広く知られ、現在はオンライン映像授業サービス「学びエイド」を急成長させている廣政愁一氏に、事業構築のノウハウを聞いた。
講座時間はわずか5分
多数のサービスが乱立する高校生向けオンライン映像授業市場で、異彩を放つサービスが「学びエイド」だ。競合サービスの多くでは1講座90分なのに対し、学びエイドはわずか約5分。講座を担当するのは100人を超えるトップ予備校講師たちだが、講師の顔は一切画面に出ず、音声と黒板画面だけで解説する。そして、無料で3講座まで見られ、月額1000円程度で約2万2,000講座が見放題という低価格だ。
全国の学習塾にサービスを提供し、塾の生徒に活用してもらうBtoBtoCモデルを中心に事業を展開する。2016年4月にβ版を開始して以来、右肩上がりで成長し、現在は約650校が導入し、ユーザー数は約3万2,000人に達する。2018年4月からは単月黒字化を実現しており、8月にはベンチャーキャピタルのK&Pパートナーズから8,000万円の資金調達を実施した。
「学校内予備校」のパイオニア
学びエイドの廣政愁一代表取締役社長は「上場を目指して一気に事業を加速させていく」と意気込む。
廣政氏は教育業界の連続起業家だ。元々は東進ハイスクールの英語講師であり、同期には林修氏や安河内哲也氏がいる。その後、河合塾講師を経て、1997年に日本初の学校内予備校「RGBサリヴァン」を立ち上げた。これは全国の高校と契約し、進学実績を上げるために学校内に学習支援のための常駐スタッフを置き、さらにさまざまな予備校講師も派遣するという事業である。
「コンサルティングに近いですね。例えば、『東大合格者数を2桁に増やしたい』という相談などに対して、必要な教育内容と予算を見積もり契約するという形です。ビジネスモデルとしては非常に優秀で、学校の教室を使うため場所代も広告費も必要ない。その分、人件費に回せるので、超一流の予備校教師を呼ぶことができます」。無名校や新設校をわずか数年で進学校に変貌させるこの事業は、大きな反響と注目を集め、講談社の人気漫画「ドラゴン桜」をモチーフに「リアルドラゴン桜」と呼ばれていた。
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