数字で見る教育ビジネス 「自分への投資」は成長市場、EdTechも伸長

テクノロジーの発展や制度改革で学びの形が変化しても、その目的は変わらない。知識を増やし、自ら考え、それを外部に出して議論することで、個々人の能力を最大限に引き出していく。長い人生の各ポイントで生じる、学びのニーズに応えることが求められる。

ICTで向上する学習環境

人生100年時代を迎え、様々な学びに対する人々の関心は高まっている。30代以上の人が学び直しのために講座に参加したり、大学・大学院に入学したりするのは、全く珍しいことではなくなった。子供の数は減少しているが、大学や専門学校で学ぶ人は増加している。

過去数年でICTを利用した学びに関する様々なサービスの提供が始まり、学習のハードルを引き下げている。テクノロジーのおかげで、志のある人の学習環境は改善したと言える。例えば、予備校や大学の校舎に出向かなくても、自宅やカフェでプロ講師の講義を受けられるようになった。教科書や動画教材でも、学習者が学びやすいような工夫が進んでいる。

また、人手不足の中で、社会人のリカレント教育も注目されている。大卒後、社会に出た人に、スキルのアップデートや、異業種で働くための追加トレーニングを提供する。それにより、再び企業で働き始めたり、キャリアアップを目指したりすることが可能になる。リカレント教育の現場では、効率よく学び、すぐに実践に移せるカリキュラムや、社会人としての自己を見つめなおす分析の機会が必要とされる。

出生数が減り、人口減少が激しい地方では、学びの場を維持していくことも重要な課題になる。EdTechやE-ラーニングは、物理的な距離を飛び越えて、一流の学習機会に触れるチャンスを提供できるが、学習の内容が画一化してしまう。身近にある自然などの資源を発掘し、地域の人々が共に学ぶ機会を作ることは、地域の活性化には不可欠であり、新しい事業のチャンスともいえる。

学校在学者数の推移

※かっこ内の数値は、前年度からの増減値(単位:千人)。大学(学部・大学院)には、学部学生、大学院学生のほか、専攻科・別科の学生、科目等履修生等を含む
出典:文部科学省学校基本調査

 


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