トラクタが自動走行 日本の農業ロボット、離陸へ

北海道の広大な農地を縦走する2台のトラクタ。よく見ると、前方のトラクタには運転者がいない。無人トラクタの実証実験の風景だ。ロボット技術と情報通信技術を活用した、先進テクノロジーの現状を追う。

北海道の広大な農地を活用したロボットの実証実験には、多くのプレイヤーが参加

今、農業の担い手不足や高齢化、耕作放棄地などの問題を解決する革新的なテクノロジーとして注目され、実用化の一歩手前まで来ているのが「ビークルロボット」だ。ビークルロボットとは、ロボットトラクタ、田植えロボット、ロボットコンバインなど車両系ロボット農機の総称である。

開発したのは、北海道大学大学院農学研究院の野口伸教授。野口教授が率いるビークルロボティクス研究室では、農用車両のロボット化をはじめ、農業ロボットの情報通信システム、産業用無人ヘリコプタ、生物環境情報のセンシング等の研究を行っている。

実用化に向けて安全性向上

「無人トラクタは、操舵・変速などをコンピュータ制御した四輪駆動トラクタに、測位衛星の受信機を搭載し、動いているトラクタの現在位置を把握しながら農作業を行う自動走行システムです。測位衛星を利用することで精密な位置情報が利用でき、あらかじめ設定したコースを走らせるほか、コースからのズレを自動修正したり、自動で旋回させることも可能です」

野口 伸 北海道大学大学院農学研究院 教授

開発当初はアメリカが運用する全地球測位システム(GPS)を利用していたが、2010年に日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられ、位置情報の精度が飛躍的に向上。野口教授はGPSと「みちびき」を併用した自動走行システムの開発に取り組んだ。また、同年、農林水産省の委託プロジェクト研究※1に採択され、完全無人のロボット作業システムの開発にも着手した。

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