2013年8月号
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日本農業が変わる

真のマーケットインへの転換

門間敏幸(東京農業大学教授)

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国内農業の危機が唱えられて久しい。TPPの影響もあり、経済環境はますます厳しいものとなっている。しかし、この状況は、逆に捉えればチャンスでもある。現状を打破する活路について、東京農業大学の門間敏幸教授に聞いた。

TPPの影響で大きく揺さぶられている国内農業。少子高齢社会問題や、就農者の減少問題、アベノミクスによる円安など様々な問題に直面している。

日本の農業はこの状況に耐え、新たな道を見出すことができるのか。東京農業大学国際食料情報学部の門間敏幸教授は、「選択肢の幅を広げる対応」を指摘する。

消費者には、1円でも安いものを求める層がある一方で、健康を考えて安全でおいしいものを食べたい層もある。

こうした色々な消費者の存在に明確に対応する戦略が今後の活路の一つとして考えられるという。また、例えば米農家なら、大規模化や耕作面積の小さい中でも高品質米で勝負をかけるといった選択肢もある。日本にも大規模欧州と比較しても遜色ない農家が育ってきているが、日本の農家には採算を度外視してもよりよい農産物を作ってしまう技術者的な風土がある。今後は生産物のクオリティを維持しながら、コストを下げる方向にマインドを向けていかなければならない。「今はコスト5割削減を合言葉に技術研究が行われています」。

真のマーケットインへの動き

消費者から見ると、農業は、プロダクトアウトの典型に見える。しかし、門間教授は「農業はマーケットインですよ」と言う。だたし、中央卸売市場を向いたマーケットインである。増大する都市人口の食料需要を賄うために設けられている中央卸売市場と指定産地制度の下では、取引・流通を円滑にするために、サイズ・重さなど形の整った生産物が求められる。そうなると農家は、「市場」で売れる、規格選別に合った生産物をターゲットとして生産することになるためだ。

こうした中で、農薬や化学肥料を有効に活用する近代農法が普及した。しかし,こうした近代農法が抱える安全や健康問題への不安から有機農業が生まれ、大地を守る会やパルシステム、らでぃっしゅぼーやなど消費者との直接取引を行う組織が生まれてきた。

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