メルカリ フリマアプリ出品者がもたらす経済効果は年752億円

メルカリは、フリマアプリによる消費行動変化と周辺サービス業界への影響を調査し、2018年7月31日に発表した。慶応義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授の監修による調査。

この調査は、フリマアプリを利用したことのある、20歳から59歳までの男女1032人を対象に実施したもの。フリマアプリに不用品を出品する際に、クリーニングや修理に出したり、梱包用資材を購入する場合がある。そのような周辺市場への経済効果を推定した。

調査によると、フリマアプリの利用開始後、使う頻度が増えたお店やサービスのトップは、商品発送のための郵便局(回答者の43.9%)、次いでコンビニ(同39.9%)。梱包資材などの購入で100円均一ショップの利用も増えていた(同33.3%)。郵便局の年間利用頻度は、平均1.8回、増加していた。フリマアプリ利用に伴う周辺サービスの合計利用額の増分は1人当たり4143円で、これにフリマアプリ利用者数の推計値を掛け合わせると、周辺サービスへの潜在的な需要創出効果は752億円と推計された。

特に、クリーニングや洋服の修理サービスは、利用の割合は少ないものの、金額の増分はそれぞれ683円、539円と大きくなっていた。アプリ出品前に修理や手入れをしてから販売することを希望する人の割合は、若年層が多い傾向が見られた。

メルカリでは2018年4月にも、山本氏と協力して消費者の行動変容に関する調査の結果を発表している。「7月に実施した調査からは、予想より多くの人が、クリーニングや修理をしたのちに出品していることが分かった」と、山本氏はいう。「修理サービスとフリマアプリと組み合わせた利用は今後、拡大するのでは」と、メルカリの小泉文明取締役社長兼COOは話した。

靴・バッグなどの修理を行う「ミスターミニット」を運営するミニット・アジア・パシフィックの迫俊亮社長は、「ミスターミニットの店舗でフリマアプリの画面を見せて、修理の可能性や修理代を確認してから購入する人や、アプリ出品前に商品を修理に出す顧客が増えている」と明かした。同社における時計の修理は、1年で1.5倍に伸び、靴のクリーニングサービスの需要も増えているという。

経済産業省が2018年4月に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2017年のフリマアプリ市場規模は4835億円で、16年比で58.4%拡大した。

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調査結果についてのパネルディスカッション。左から、三浦展 カルチャースタディーズ研究所主宰、山本晶 慶応義塾大学大学院経営管理研究科准教授、迫俊亮 ミニット・アジア・パシフィック社長、小泉文明 メルカリ取締役社長兼COO

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