管理職の3分の2が育成に人員割けず、AI導入は約4割に拡大 企業の新卒採用実態調査2026

株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、株式会社日経BPが発行する「日経ビジネス」と共同で実施した「企業の新卒採用実態調査2026」の分析結果を公開した。本調査は、従業員規模100名以上の企業で毎年新卒採用を実施している人事部門所属の正社員を対象に行われ、新卒採用の現状や今後の展望を浮き彫りにしている。

採用難度の高まりと手法の見直し

調査結果によれば、約6割の企業が「計画人数の達成に苦戦している」「採用活動が長期化している」と回答しており、新卒市場の厳しさが顕著となっている。また、約3分の2が「新卒採用の今のやり方を変える必要がある」と認識しており、従来の手法の見直しを求める声が多い実態が明らかになった。

一部では「新卒採用の停止・廃止・縮小」が検討の俎上に乗ったことがある企業も約3分の1にのぼる。しかし、依然として約4分の3の企業が「新卒採用を続けることは会社の発展にとって重要」と回答しており、将来の成長を担う人材の確保や長期的な育成の観点から、新卒採用の戦略的価値は揺らいでいない。

キャリア採用とのハイブリッド化へ

今後の正社員採用の構成については、大きな変化が予測されている。直近1年間では「新卒採用が多い」とする企業が38.3%で最多だが、5年後の見通しでは25.8%まで減少する見込みである。一方で、「新卒採用とキャリア採用が半々くらいになりそうである」という回答は21.6%に達しており、新卒採用とキャリア採用(中途採用)を組み合わせた採用構成へ移行する企業が増える可能性が示唆されている。

新卒採用の主な目的は「将来の伸びしろ」や「長期勤務の可能性」であるのに対し、キャリア採用は「即戦力」や「専門スキルの補完」が主目的となっており、企業はそれぞれの目的に応じて採用手段を使い分ける傾向が強まっている。

現場の負担とAI活用の広がり

採用後の受け入れ体制にも課題が見られる。管理職の約3分の2が「新入社員の育成に時間や人員を十分に割けない」と感じており、約6割がマネジメントに難しさを感じている。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ公式プレスリリースより

こうした状況への対応として、テクノロジーの導入も進んでいる。現在、いずれかのAI施策を採用プロセスに導入している企業は約4割に達し、選考や応募者対応への活用が広がりつつある。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 主任研究員の武藤久美子氏は、新卒採用を単なる獲得手段としてだけでなく、入社後の定着・活躍までを見据えた一連の人材マネジメントとして捉え直す重要性を指摘している。