2021年7月号
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ダイバーシティが生む新市場

安心して意見を言える場で価値創造 組織の多様性を事業に活かす

露木 恵美子(中央大学大学院 戦略経営研究科研究科長・教授)

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組織や社会において、多様な人材がそれぞれの能力を発揮できる環境づくりが重視されるようになった。顧客ニーズの多様化に伴い、企業には社内と社外の多様性を結び付けた価値の創造が求められている。人材の多様性を事業に活かすには、気兼ねなく意見を出せる「心理的に安全な場」が不可欠となる。

2021年の今日、顧客ニーズは多様化し、様々な個人を理解することがますます重要になっている。このような社会で成功する企業に必要なのが、組織の多様性である。

事業の成功に必要な多様な
人々のセンサー

「顧客や市場に対する見方、感覚は個々人でそれぞれ異なります。企業はこのような人々を『センサー』として捉え、そのセンスを活かすことができれば、市場の変化により敏感になれると思います。それぞれの社員が感じたことは言葉にするには、何を言っても否定されないような環境が必要です。そのような場は『心理的安全な場』と呼ばれます。他社に先んじて市場のほんの小さな変化を感知することが、企業の創造性を左右します」。

露木 恵美子 中央大学ビジネススクール 大学院 戦略経営研究科研究科長・教授

中央大学ビジネススクール大学院戦略経営研究科研究科長の露木恵美子氏は、こう指摘する。露木氏が持つ多様性のイメージは、「アンテナを広げてセンサーを増やし、触角を点から面にしていくというもの」だという。

この際、日本社会において注意すべきなのは、「相手が期待することを満たすための」コミュニケーションであふれている点だ。「互いに相手の気持ちを読み慮ることが行き過ぎると、自分の感覚ではなく相手が求めることしか言葉にできなくなります。しかし、それでは多様性の実現や個性の発露にはなりません」。

同質的に見える組織でも、一人ひとりの個人は様々な多面性を持っている。だが日本では男女や年齢に関係なく「こうあるべき」、「こうあって欲しい」といった社会的期待に合わせる文化的特性があるので、個性を出しにくい。また個性は、職場のような公の場で出すものではないという潜在的な思い込みもある。個々人に多様性があっても、表現できる環境がなければ、それを活かすことはできない。そこで重要になるのが、多様性を活かせる心理的安全な場だ。

「私は長年『場(Ba≒place)』の研究をしてきましたが、企業活動において『心理的に安全な場』は必要不可欠だと思います。市場に対する感度を上げてほんの些細な変化に敏感になるためには、多様性や個性、個人が感じている変化を言葉にできるような職場が、今の時代には求められています」。

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