愛媛県西条市の糸プロジェクト 成長しつづけるまちづくりに着手

地域ににぎわいと活気を取り戻し、二酸化炭素排出ゼロにも挑戦する「糸プロジェクト」。愛媛県西条市で半導体装置部品などを製造するアドバンテックが、新しいまちづくりに挑戦したものだ。同プロジェクトで代表取締役を務める石本祐子氏に、目指すまちの姿を聞く。

1995年に西条市で創業し、半導体装置部品をメインに、市内に主力工場を持つアドバンテック。同社は創業の地で、数年前から新たなまちづくりに取り組んでいる

未活用の土地を人の集える場所に

アドバンテック出身で、糸プロジェクト代表取締役に就任した石本氏は、「アドバンテックは西条市で起業し、育てていただいた会社です。時代とともに若者が減り、まちに灯りが少なくなるなか、社員や社員の家族、地元の方の集える場所を作りたい。にぎわいを少しでも取り戻したいと、新たなまちづくりに挑戦する糸プロジェクトをスタートしました」と話す。

西条市には、幹線道路から一歩入ると、耕作放棄された農地など未活用の土地がある。人の集まる場所を作るなら、そうした場所を活用したいと、耕作放棄地など約6ヘクタールを購入。住めて憩える、にぎわいの場所を創出するべく、プロジェクトを開始した。

新しいまち「いとまち」のキーワードは、エネルギー、テクノロジー、グリーンインフラ、食、建築。東京大学・隈研吾研究室によるマスタープランをもとに、今後、戸建て住宅で形成される住宅ゾーンと、ホテルや温泉などのある商業ゾーンを形成していく。先行して、2020年に地元産の食材を扱うマルシェやマーケット、レストランなどが集まる複合商業施設をオープンした。

いとまちマルシェとレストラン・マーケット棟の外観。新型コロナウイルス感染症終息後は、芝生スペースでのイベントなども企画している

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