2021年5月号
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脱炭素社会

バリューチェーンで協力して進める アルミ生産の脱炭素化

相 雄一郎(リオティントジャパン アルミニウム事業部長)

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生活必需品から社会インフラまで、さまざまな製品の素材となるアルミニウム。より二酸化炭素排出量の少ない生産と、バリューチェーン全体での二酸化炭素排出量削減を実現するため、リオティントでは関係企業・組織と連携して、環境負荷の低いアルミの生産・利用拡大を目指す。

ゼロカーボン・アルミニウムの製品イメージ。エリシスは、2024年に新しいアルミニウム生産の技術パッケージを世界中に販売することを目指す

英国とオーストラリアに本社を置くリオティント社は、鉄・銅・アルミニウムなどの鉱物資源を生産・供給する多国籍企業だ。アルミニウムと、その原料であるボーキサイト、アルミナの生産では世界有数の規模を持つ。米アップル社が使い始め、話題になった「ゼロカーボン・アルミニウム」は、リオティントと米アルコア社が合弁でカナダに設立したエリシス社の研究成果だ。バリューチェーンの起点ともいえる、資源会社の脱炭素の取り組みについて、同社に話を聞いた。

相 雄一郎 リオティントジャパン アルミニウム事業部長

環境負荷減へイニシアチブ創設

脱炭素社会を実現するためには、生活に必要な様々な製品の製造プロセスを見直さなければならない。例えば、既に必需品になっているIT・電子機器は、使用時に電力を使うだけでなく、製造過程でも大量の二酸化炭素(CO2)を排出する。アップルは、2020年7月に、製品ライフサイクルの全てにおいて2030年までに実質的なCO2排出量をゼロにするという目標を発表し、大きなニュースになった。

アルミニウムは、アップルの特徴的なデザインの製品をはじめ、食品包装・飲料容器から自動車の車体・部品、サッシや建材まで、幅広い分野で使われている。一方で、製造過程で大量のエネルギーを使う金属としても有名だ。その生産のグリーン化は、脱炭素社会の実現には欠かせないものといえる。

金属アルミニウムを製造する際は、まず鉱山で掘り出したボーキサイトから不要な成分を除き、酸化アルミニウム(アルミナ)を得る。これを950度の高温に加熱し、炭素電極で溶融塩電解する(ホール・エルー法)。この方法は130年以上、アルミニウムの商業生産に用いられてきた。溶融塩電解は大量の電力を消費するため、製錬工場は安い電力が得られる国や地域に設置されることが多い。リオティントではアルミニウム生産に必要な電力の75%を再生可能エネルギーである水力発電で賄っており、自社の水力発電所も所有している。だが、化石燃料が安価に入手できる国では多くの企業で、化石燃料で発電した電力が用いられている。

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